映像に関して明るい人でもない限り、8ミリフィルムの取り扱いには悩む方も多いのではないでしょうか。
今回は、実家に保管されている8ミリフィルムの取り扱いについてまとめました。
私たちが行った「お部屋のお片づけ」において8ミリフィルムが出てきた場合には、ラベルに書かれている内容や、光に照らして映像等を簡単にご確認いただき、お客様にデジタル化などの方法をご案内することもございます。
※今回ご紹介する内容は、8ミリフィルムについて取り上げています。Hi8などの名称で利用されていた「8ミリビデオカセット」についてではありません。
8mmフィルムとは
名前となっている「8ミリ」とはフィルムの幅のことを指します。
主に映像用として戦前より利用されるようになり、戦後〜1960年代にかけて民間でも広く利用されるようになりました。
当時一般的な映画用フィルムは35ミリ幅だったようですが、フィルムが巨大であり、必然的に撮影機材も大きかったため、家庭向きではありませんでした。
そこで、民生用に映像収録を行う用途として8ミリフィルムが登場、普及します。(一部16ミリフィルムというものも存在します)
撮影(収録)時間は1本の小さなリールで3分半程(秒速18コマの場合)です。
音声は収録できないものが一般的です(音声をつける場合、サウンドフィルムを利用したり、現像済みのフィルムを映しながら、新たに録音を行うようです)
8mmフィルムを取り巻く現在の状況
8ミリ「フィルム」という名称の通り、フィルムを現像する必要があります。
しかし、8ミリフィルムを製造していた富士フイルムが現像サービスを2008年に終了して以降、日本国内でも現像サービスを提供しているところが数える程しか存在していません。
加えて、8ミリフィルムを見るための映写機やメンテナンスを行うためのオイル・道具類なども中古品から探さなくてはなりません。
一方で、アナログの質感と、大きく拡大しても荒くならないのがフィルムの特徴です。
アナログのフィルムの魅力について、見直しの動きもあり、米コダック社が初代8ミリビデオカメラの発売から30年以上経過したことを受けて、2016年に「KODAK Super 8 Camera」として発売するとアナウンスされたこともあるようです。
スマートフォンが普及している昨今では動画撮影は気軽になりましたが、美しい映像を撮影できるスマートフォンが数多く発売される一方で、古き良き8ミリフィルムのような映像に加工できるアプリも登場しており、独特質感を体験したい方も多いように思います。
8mmフィルムの内容を映写機で見る
8ミリフィルムの内容をスクリーン等に映して見るためには映写機が必要です。
映写機の利用には撮影されたフィルムを映写機で写すためにセッティングする作業(装填)が必要なため、映写機を一度も使ったことのない方にとっては、やや難しい作業になります。
ただし、最近はインターネット上の情報や、取扱説明書が付属した状態の映写機などもインターネットオークションで取引されています。
ご自宅に保管されている8ミリフィルムを映写機でご覧になりたい方は、映写機での視聴にチャレンジされるのも1つの方法だと言えるでしょう。
8mmフィルムを保存・活用する3つの方法
8ミリフィルムを保存したり、手軽に見るための方法をご紹介します。
8mmフィルムの保存について
フィルムは、紫外線やカビにとても弱いです。そのため、高温多湿を避けて、通気性の良い場所に保管しなくてはなりません。
また、光にも弱いため、太陽光や蛍光灯など紫外線に長時間晒すことのないようにしましょう。
フィルムを取り扱う場合には、手の皮脂などがカビの原因となる場合もあるため、フィルムには直接触らないようにしましょう。
さらに、フィルムの素材は劣化が始まると、フィルムから酸っぱいニオイがしてきます。
そのまま放置しておくと波打ったようになったり、反り返ってきて視聴が困難になります。
長期間保存されていたフィルムは、痛んでいる場合も多いため、貴重な記録はデジタル化しておくのが良いでしょう。
8mmフィルムの活用方法について
主に次のような方法がございます。
- 専門業者に8ミリフィルムをデジタル化してもらう
- 8ミリフィルムのデジタルコンバーターを利用する
- 映写機に映した映像をデジタルビデオカメラ等で新たに撮影する
簡単に1つずつ見ていきます。
なお、フィルム映像をテレビ信号やDVD等の映像データに変換する作業を「テレシネ」と呼んだりします。
フィルム動画をビデオやDVDなどにするためのテレシネ用機材も存在しますが、業務用専用機が多いため現実的ではありません。
8mmフィルムを業者の手によってデジタル化
8ミリフィルムをDVDなどのデジタルデータに変換して、簡単に楽しむことができるなサービスは多くの企業で提供されています。
8ミリフィルムの色を補正したり、1秒間に再生される枚数(フレームレート)を現在のテレビ放送のように30FPSや60FPSに変換するサービスを提供している事業者もあります。
以下に3社をご紹介いたします。(サービスの品質を保証するものではありません。)
- カメラのキタムラ「8mmフィルムのDVD保存」
10分まで4,400円(税込)・20分まで6,600円(税込)別途技術料が必要な場合あり。 - 富士フイルム「8mmフィルムの「DVDにダビングサービス」」
基本料金120分ごとに3,080円+10分ごとに2,200円および代引手数料330円。自動お見積もりがあります。 - アトリエゆう「8ミリフィルムのデジタル変換・ダビング」
技術にこだわった青森県の写真スタジオによるデジタル化作業。自動見積もりがあります。
コストが必要となりますが、大切なフィルムであれば、こうした業者に依頼するのが安心でしょう。
8mmフィルムのデジタルコンバーターを利用する
8ミリフィルムをSDカードやDVDなどのメディアに変換する装置が8ミリフィルムのデジタルコンバーターです。
以下のような製品が存在しています。Amazon等でも取り扱いのある商品もあるようです。(サービスの品質を保証するものではありません。また、ご紹介している製品が、現在購入できることを保証するものではありません。)
- マイナビニュース「8mmフィルムを自宅でDVDやSDカードにコピー サンコー」
- 3Rソリューション株式会社「8mmフィルムスキャナ 3R-FSCAN008」
たとえば、サンコー(THANKO)による「8mmフィルムをDVD化するセット」税込69,800円を利用することで、8ミリフィルムをデジタル化してSDカードやDVDにダビングできます。
または、8ミリフィルムを1コマずつスキャニングすることのできる8ミリフィルムスキャナーのレンタルサービスを提供する事業者も存在します。
ネガの場合には、ネガポジ変換が必要だったり、デジタルファイルの取り扱いについて多少の知識が必要となるものの、ご自身でデジタル化に取り組まれたい方の解決策の1つになりそうです。
映写機に映した映像をデジタルビデオカメラ等で新たに撮影する
極めて原始的な方法ではありますが、ご自宅に可動する映写機が存在する場合には、スマートフォンやビデオカメラを利用して、映写機で映し出した映像をデジタルビデオカメラで撮影する方法も存在します。
何が写っていたのかを保存しておくには有効な利用方法ですが、問題点があります。
スマートフォンの動画撮影は1秒間に30コマや60コマ撮影できるものになっていますが、先にお伝えした通り、8ミリフィルムは1秒間に16コマ程度です。
1秒間のコマ数がスマートフォンで撮影するものと合わないため、映写機で流した画像をスマホで撮影すると、黒い帯のようなものが入ってしまい、映像が点滅しているように撮影されてしまうことがあります。
主に西日本に設置されているLEDで光る信号機などをスマートフォンのカメラで撮影すると、縦に筋が入っていたり、点滅しているように見えるのと似た現象です。
このため、コマ数を合わせて撮影する必要があるのですが、これには知識や経験が必要となります。
厳密な映像記録ではなければ問題ないかもしれませんが、視聴するのに十分な品質の変換を行うためには、やはりデジタル化は業者の手に委ねるのが得策だとも言えるでしょう。
まとめ
8ミリビデオのフィルムを有効活用する方法について見てきました。
一般的に民生品として利用されてきた8ミリフィルムは、保存状況によって状態がまちまちです。
信頼できる業者に依頼し、デジタル化を行っておくと、現代のテレビやパソコン、スマートフォンといった端末で過去の画像を手軽に見ることが可能になります。
大切な思い出の映像をデジタル化する際にお困りの方の一助となれば幸いです。
最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。