実家に残され、棚に溢れたビデオテープ。
そのまま処分するには忍びない。しかし、どのように処理をすればいいのか思いつかないという方も多いのではないでしょうか。
今回は、ご自宅やご実家に溢れたビデオテープを有効活用を含め、片付ける方法についてご提案いたします。
ビデオデッキはもう製造されていない。
日本国内で唯一VHS方式のビデオデッキの生産を続けていた船井電機が、部品調達の難しさから2016年7月末をもって生産終了を発表して以来、VHSの新品のデッキを購入することは非常に難しいのが実情です。
新たにビデオデッキを探す場合には、中古品を探すことになります。
古いドラマ・映画も豊富にカバーするインターネットの動画配信サービス
ところで、最近はYouTubeのみならず、インターネットでの動画配信サービスが隆盛を極めています。
Amazonプライム・ビデオや、Hulu(フールー)、Netflix(ネットフリックス)などが有名なサービスでしょうか。
これらのサービスは、月額500~2,000円で見ることができるようです。
ジャニーズの人気グループ「嵐」のドキュメンタリーがNetflixで独占配信されたことや、2020年3月からNHKがインターネットでも番組を同時配信することを決定したこともあり、今後、観たい作品を観たい時にインターネットで、という動きが一般的になるかもしれません。
中でも、Huluは日本テレビが日本事業を買収、TBS、テレビ東京、WOWOWなどが連携して提供するParavi(パラビ)など、国内のテレビ事業者もネット配信に積極的な様子で、過去のドラマや映画作品を気軽に高画質で見られることも多くなってきています。
このように、今までビデオテープに録画するなどして番組を「所有」していた時代から、インターネットを「利用」する生活の形式に変わってきているのがわかります。
ビデオテープについては、こうした背景も意識すると、迷いなく仕分けや処分ができるかもしれません。
処分する前に、実家のビデオテープの収録内容を確認する。
さて、それでは実際に実家に残されたビデオテープを片付ける場合、まず、大まかに本数を確認し、片付けを行う全体像を意識しておくことをお勧めします。
次に、ビデオに貼られたラベルを基準に「家族に関するものが収録されているもの」と、「放映されたテレビ番組を録画したもの」を簡単に仕分けながら作業を進めると良いでしょう。
この基準で仕分けを行う理由は、保存しておきたいものはご家族の様子が収められたものだろう、という観点です。
この時、VHSには上書き録画を防ぐためにツメが付いています。このツメが折られているものは、重要な映像の可能性があるかもしれません。
往時の「金曜ロードショー」や話題になったドラマは、レンタルDVDとして購入することが容易なため、不要と判断しても問題ないでしょう。
ただし、「高校野球地方大会」といった中継映像や、アイドルの歌番組やクイズ、「珍プレー好プレー」とか「NG集」といった特番ものは、映像コンテンツとして残されていない可能性もあるため、処分する場合には注意した方が良いかもしれません。
きちんと内容を確認するのに必要な時間は膨大。
残されたテープの内容をきちんと確認する場合、まとまった時間が必要なのも覚悟しておきましょう。
仮に標準モードで2時間録画されたビデオテープが100本ある場合、確認に必要なのは200時間=12,000分(倍速再生しないとき)
総務省が発表した「平成30年版 情報通信白書」によれば、日本人の休日1日あたりのテレビ視聴(リアルタイム)時間は214分(テレビの録画視聴は27.2分)とのこと。仮に、これらの時間全てを残されたビデオの視聴に当てたとして、56日間かかる計算です。1年の休日を合計すると約120日ですから、自宅でテレビを見ている時間を全てビデオテープの視聴に充てたとして、半年ほど時間がかかることでしょう。
昔のCMや若い頃の俳優さんを目にして楽しさもありますが、全て視聴するのは現実的ではないかもしれませんね。
実家のビデオテープの片付けて処分する場合。
処分して問題ないと判断したビデオテープは、地方自治体の処分方法に沿って処分しましょう。
例えば、横浜市の場合、ビデオテープは燃やすごみとして捨てることができます。
川崎市の場合にも、普通ごみとして処分することができます。(いずれも2020年2月現在)
ただし、数百本単位になるようなケースでは、近隣の方にご迷惑とならないよう、常識的な範囲で処分するよう、十分に配慮しましょう。
実家のビデオテープを自分でデジタル変換して有効活用する。
ここまで行っていただくと、保存の必要があるビデオテープがいくらか手元に残されているかと思います。
続いて、この残された映像をどのように利用するかを考えてみます。
ビデオの映像をデータ化できるサービスを利用する。
ビデオに収録された映像をデータ化できるサービスを家電量販店などに依頼出来るケースがあります。
価格は、2,000円前後で、仕上がりは16~30日前後。
DVDへの変換が一般的のようです。
- フジフイルムのダビング・スキャン・復元サービス
配送キットに詰めて送る形式・1本あたり1,568〜3,121円(本数が多いほど安くなるようです)多くの規格に対応。 - カメラのキタムラ「ビデオテープ(VHSなど)からDVDダビング」
配送キットに詰めて送る形式。1本2,200円。多くの規格に対応しています。
自分でDVDやブルーレイなどの媒体に記録する。
自分でDVDやブルーレイを記録する場合、ビデオデッキが必要になるケースがあります。
家に動作するデッキがない場合は、中古デッキを購入するか、ビデオデッキをレンタルするサービスを利用する方法があります。
一般に、DVDやブルーレイなどの媒体に記録するには、DVDデッキとブルーレイレコーダーを接続してダビングするか、パソコンに取り込んでデジタル化する方法が一般的です。
さらに、パソコンを利用することなく、VHSをSDカードやUSBメモリーに保存することができるビデオキャプチャー「アナレコ」という製品もあります。
- アイ・オー・データ「ビデオキャプチャー「アナレコ」
ビデオデッキと接続し、テープの映像をUSBメモリーやSDカードに保存・パソコン必要なし - アイ・オー・データ「USB接続ビデオキャプチャー」
ビデオデッキとパソコンを専用ケーブルで接続する。初心者用のソフトウェアが付属。 - アイ・オー・データ「Android対応USB接続ビデオキャプチャー「アナレコ」
ビデオデッキと接続し、テープの映像をデジタルデータに変換・パソコンやAndroidスマートフォンが必要(iPhoneは対応せず)
SDカードやUSBメモリーに保存した後は、Googleフォトなどのクラウドサービスに保存し、スマートフォンやタブレット端末で楽しんだり、ご自宅のハードディスクに保存することができます。
インターネットのブログ記事等では、頻繁に「DVDやブルーレイ、SDカードに保存しましょう」などと書かれていますが、これはあまりオススメしません。
理由は単純で、近頃発売のパソコンにもDVDドライブが搭載されていないように、DVDデッキを使ってわざわざ見る、ということもしないことが多いからです。
デジタル化することによって、物量が減るだけではなくスマホやタブレットで気軽に振り返ることができるかもしれません。
まとめ
以上のように、保管されているビデオテープのうち、インターネットで配信が見られるものは積極的に処分の対象としても良いこと、さらに、残された家族の大切な思い出はデジタル化することによって、よりよく保管することができるかもしれない、という点についてご紹介いたしました。
今回ご紹介したビデオテープのように、ご実家の整理では、やれることから一つずつ行なっていくことが大切です。
皆様のご実家の整理がより良いものになりますよう、祈っております。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。