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空き家の火災防止: 老朽化と放火や漏電のリスクをどう避けるか

消防隊員と消防車

空き家問題は、「認知される」段階から、とっくに社会問題として行政が介入していかねばならない問題となっています。

原因は核家族化と進む少子化と高齢社会。

両親の体調が突然悪化し、健在なのにも関わらず長期入院、認知症や転倒による骨折による介護の必要から、子供と同居を始めることになるようなケースです。

このようなケースでは、何も予期していない状況から実家の管理ができない、あるいは活用方法がわからない、といった理由で自分の意に反して空き家となってしまい、空き家が手付かずのまま放置されてしまうことは珍しくありません。

空き家となってから、1ヶ月程度で老朽化が一気に進みます。半年も経つととても荒れた状況になってしまうのです。

こうした空き家は、防犯や防火に大きなリスクが伴うことを、まず知らなくてはなりません。

空き家の現状と片付けを業者に依頼すべき理由

過去10年以上にわたり火災原因の1位は放火

東京消防庁(参考資料はこちら)によれば、出火原因1位は、実に過去10年以上にわたって「放火や放火の疑いがあるもの」ということです。

実際に、空き家を狙って放火を行う事件が全国で繰り返されています。

現代では、高性能な防犯カメラを設置するなど、犯人を検挙する証拠を残しやすいのも事実ですが、火をつけられては全てを失ってしまうだけでなく、近隣の方に大きな迷惑をかけることになります。

法律上は空き家の失火の場合、損害賠償責任を負わないとされているが・・・

明治32年にできた「失火責任法」には、失火の場合には民法709条(損害を賠償する責任について定めた民法)を適用しないことが明記されています。

つまり、乱暴に解説すれば、あなたの空き家が不運にも失火してしまい、この火災が原因で近隣の住宅が燃えてしまった場合、損害賠償を負わない可能性があるということです(法解釈の問題もございますので、実例は専門家にご相談ください。)

しかし、この空き家に「重大な過失」があった場合には、損害賠償を負う可能性があるのです。

火災後の片付け:火事になった後の手続きと後処理の全ステップ

犯罪を防ぐための処置が想定外の事態を生むことも。

検索で引っかかってくるブログなどには、空き家とわからないように、街灯や玄関照明をタイマーで点灯させるようにしておきましょう。などと書かれているものがありますが、これ、鵜呑みにしないでほしいです。

特に遠方にお住いの方には、時間を設定しておいて家の目の玄関照明をつけて置けるようにしている方もいらっしゃるでしょう。

しかし、ブレーカーを落とさず、家の一部の電気系統だけでも生かした状態にしておくことはお勧めできません。

漏電火災につながる恐れがあるからです。

こうした漏電による火災の場合には、先に紹介した失火防止法などの適用外になる可能性が高く、損害賠償を請求される可能性があります。

空き家の所有者が、家の中の配線の老朽化を長期間放置することは、失火する可能性を放置したことになるからです。

現に、『「誰も住んでいないのに電気が通っている家も…」 空き家から出火、6棟全半焼 埼玉・志木』というような事件も起きているのです。

空き家を相続した場合の注意点:火災保険は継続利用できないかも。

人が住んでいた時に契約した火災保険が、空き家になった後も効力を発揮していると思い込んでいる方も少なくありません。

多くの損害保険会社では、空き家(「空家」とも)の場合には、火災保険に加入できない、と明記されています。

つまり、人が住んでいる居住中は火災保険の補償対象となっていても、空き家になった場合には補償の対象外となるのです。

空き家でも加入できる保険商品も存在するものの、費用が割高になるケースなどもあります。

くわしくは以下の記事をご覧ください。

相続した空き家に火災保険が必要な理由。補償や加入条件は?

空き家の管理の4択

今回は、火災を中心にお伝えしましたが、管理されなければ放火や不法投棄、害虫やネズミ、地震による倒壊の恐れなど、大きなリスクが伴うのが空き家です。
ぜひ早い段階で、管理方法を考えられることをお勧めします。

最後に、こうした空き家の管理についての解決策を簡単にご紹介します。

こうした空き家の管理の解決策は主に以下の4つです。

  1. 家族による維持管理
  2. 賃貸
  3. 売却
  4. 管理会社へ管理を委託

ご実家が空き家になられた方は、まず最初に空き家に関するリスクや近隣へ迷惑がかからないように、自分の裁量で出来ることから、直ぐに始められることをお勧めします。

最後までお読みいただきましてありがとうございました。

空き家売却で頭を悩ませている方へ:売却を成功させるポイント

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