ご家族やご親族の部屋がゴミ屋敷状態で、どうしたら良いのかわからない、というお悩みをお持ちの方は実はとても多かったりします。
現代では、住んでいる家がゴミ屋敷化してしまう方は珍しくありません。
それぞれに抱えているバックグラウンドがあり、根治が難しいケースも存在するようです。
しかしながら、近隣の方に迷惑となるリスク、何より住んでいる方の健康リスクのために、身内のゴミ屋敷を掃除したいとお考えの方も少なくないことでしょう。
あるいは、あなたご自身に片づける役目が回ってきてしまったという方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回はゴミ屋敷などの特殊清掃を2000年より実施している私たちが、ゴミ屋敷の片付け費用にいくら必要なのかを、理由とともに費用の相場やサービスの内容、業者を利用した場合の選び方をくわしくお伝えします。
ゴミ屋敷でお悩みの方への一助となれば幸いです。
結論:ゴミの量や間取りによって2万円〜100万円
結論としてゴミ屋敷の清掃の相場は数万円〜数十万円となります。
これだけの幅のある相場になるのはゴミ屋敷の片付けに必要な金額は主に物量によって大きく異なるから。
大まかに、間取り、ゴミの物量、作業に必要な人数と期間の3つの要素で決まります。
目安を表にすると以下のように表現できます。
間取り | 料金相場(目安費用) | 作業人数 | 作業時間 |
---|---|---|---|
1R/1K | ¥ 30,000〜120,000 | 1〜3名 | 1〜3時間 |
1DK | ¥ 50,000~130,000 | 2〜3名 | 2〜4時間 |
1LDK | ¥ 70,000~200,000 | 3〜4名 | 2〜6時間 |
2DK | ¥ 90,000~250,000 | 3〜5名 | 4~6時間 |
2LDK | ¥ 120,000~300,000 | 3〜6名 | 6~8時間 |
3DK | ¥ 170,000~440,000 | 3〜7名 | 1日(4時間)~2日 |
3LDK | ¥ 190,000~500,000 | 4〜8名 | 1日(5時間)~2日 |
4LDK~ | ¥ 220,000~600,000 | 4〜10名 | 1日(6時間)~2日 |
おおよそ軽トラック1台3〜4万円、2トントラックで6万円程度になるのが一般的です。
積み放題の場合には、作業料金や搬出費用が別途算出されるケースもあるため、総額でまとまったお金が必要となるケースがあることに注意してください。
見積もりで比較するなら「内訳に注意」する
ゴミ屋敷の費用として見積もりを比較するときは見積書の内訳に注意しましょう。
ただし、業者によって出されている見積もりの金額や内容が異なっているため、見比べるのに多少のコツが必要かもしれません。
見積もりを見てもよくわからないなどの不明点があればすぐに業者に確認しておきましょう。
ゴミ屋敷を清掃する会社に見積もりを依頼すると大まかに3つの項目で料金を請求される場合が多いでしょう。
- 人件費
スタッフ1名についておおよそ1万〜3万円 - 車両費・物量
トラックの台数による単価や、立米などで記載されている場合が多い - 処分費
1時間あたりの金額や、物量で記載されている場合もあります
そのほかにも片付けをするお家の立地条件(搬出経路が長いなど)、リサイクルや買取できる物品があるかどうかによっても料金は大きく変動します。
ゴミ屋敷の片付けの費用はどのように決まるのか
ゴミ屋敷の片付けの費用はどのように決まっているのでしょうか。
一般に以下のような項目から算出されます。
- 人件費
一般的なお部屋のお片付けとは異なり、ゴミ屋敷の現場での人件費は高くなりがちです。 - 部屋数や階数
一般的にマンションなどのワンルームよりも、一軒家などの方が部屋数も多く高額な見積もりとなりがちです。 - 処理する不用品・物品の内容(処分するゴミの量や種類)
立米やトラックX台など業者によって書き方はさまざま。大きな家電家具や、ニオイが強くついているものなどは料金が高くなる傾向があります。 - 清掃の度合い・原状復旧作業の程度
片付けたお部屋の今後の利用目的によって清掃の度合いや作業内容が異なります。 - 片付け以外の作業(オプション料金)
オプション料金の必要性や加算される金額は業者によってまちまちです。
人件費
ゴミ屋敷の片付けや清掃に必要な人員がどの程度必要なのかによっても価格は変わります。
見積もり時に業者へ確認したりすると、相見積もりなどで比べる場合の良い参考となります。
一般的なお部屋のお片付けとは異なり、ゴミ屋敷の現場での人件費は高くなりがちです。
たとえば、マンションの高層階から家具や家電、不用品などを搬出するときを考えてみます。
苦情や近隣の方のご迷惑となるため、強い悪臭を放つゴミを運び出すのにエレベーターを利用することはできません。そのため、階段で搬出が必要となるケースが多くなります。その分必要となる人員が増えることになります。
部屋数や階数
一般的にマンションなどのワンルームよりも、一軒家など敷地面積や床面積が広いほど搬出する物量が多く、作業にも時間がかかります。
加えて、一軒家全体がゴミ屋敷となってしまっている場合には深刻な状況に至ってしまっているケースも多く、実際に行政代執行が行われるようなケースも経験があります。
深刻なゴミ屋敷のケースでも十分に対応できますが、物量が多く仕分けに時間が必要であり、搬出距離の関係から料金も高額になる可能性があります。
残された物品の量
ゴミ屋敷の中に残されている物品の量で、搬出に必要なトラックやパッカー車などの金額が異なってきます。
ワンルームであれば軽トラック換算1台程度で済む場合もありますが、3部屋以上の物件の場合にはまとまった物量となるケースも多く、搬出や処分に必要な金額が大きくなる場合もあります。
処理する不用品・物品の内容
処理するゴミの内容についても値段の変動するケースがあります。
高くなるケースは、大きな物品が多数存在する場合や、処理の難しい物品が混在しているケースです。
たとえば、ニオイが染み込んでしまっている家電や家具などについての処分は特殊な方法が必要です。
費用が抑えられるケースは、リサイクルや買取可能な物品が発見できた場合です。
残されているものを現金化する方法を片付けの業者は複数持っていることが一般的です。そのため、買取やリサイクルを行うことによって低価格を実現することができる仕組みを持っています。
清掃の度合い・原状復旧作業の程度
賃貸物件がゴミ屋敷として深刻な状況となってしまっている場合、片付けを行ったのちの一般的な清掃では片付かない場合があり、退去を求められている場合に高額な請求となってしまうケースも存在します。
そこで、ハウスクリーニングや専門の薬剤を利用した特殊清掃、あるいはオーナー様や管理会社様の要請を受けて原状復旧作業をご依頼いただくケースも珍しくありません。
ゴミが地層のように堆積し床や畳が腐敗してしまっていたり、フローリングが傷んでいる場合にはリフォームが必要となってしまいます。
くわえて、トイレやキッチンの配管が詰まっている場合には長期間水が動いていないことにより、痛みが極度に進行しているケースもあり、水漏れなどのリスクも存在します
深刻なケースでは、作業料金に合わせて原状復旧作業を行い、あらかじめハウスクリーニングまで見越した見積もりや期間設定を行うことが肝心です。
状況によって進め方や方法論は異なりますが、退去を控えられていたり、お片付け後に別の目的でお家をご利用になる場合には、その旨を業者に相談しておかれると良いでしょう。
実際の料金事例
以下では、実際のゴミ屋敷の料金の事例をご紹介します。
なお、当社では参考事例で間取り別にくわしく費用感をご確認いただけます。
原状復旧作業を前提とした賃貸アパートのケース
間取り | 3K |
---|---|
作業時間 | 2日間 |
作業人数 | 5名(1日あたり) |
料金 | 200,000円(買取値引きあり・原状回復費用等別) |
物量 | 各部屋、ひざ〜胸のあたりまでゴミが堆積しているケース |
兄弟で物件にお住まいの方のご依頼です。
買取可能なものやリサイクル可能なものを中心に作業を行いました。
リフォームを前提とした戸建てのケース
間取り | 5部屋 |
---|---|
作業時間 | 6日間 |
作業人数 | 5名(1日あたり) |
料金 | 550,000円(リフォーム料金・諸経費別) |
物量 | 各部屋天井までゴミが堆積 |
戸建てのすべての部屋が天井までものが積まれているケース。ご高齢のお父様と御子息の二人暮らしで御子息からのご連絡で作業を行うこととなりました。
現在はリフォームを担当し、再発を防止しながら生活されています。
1Rマンション1室(物量が極めて多いケース)
間取り | 1R |
---|---|
作業時間 | 8時間(1日) |
作業人数 | 5名 |
料金 | 250,000円(税込) |
物量 | 天井までゴミが堆積 |
生活ゴミを中心として極めて物量の多い現場でした。
買取・リサイクル可能な物品については、請求金額から値引きいたしました。
ゴミ屋敷の清掃は自分や家族で行うのは困難
当社ブログ「遺品整理を自分でやるとき、実家を片付けるのに必要な時間と費用」で、一般的な2LDKの遺品整理を自分たち家族で行うのに必要な時間をおおよそ2週間程度とお伝えしました。
ゴミ屋敷の場合には、家族や親族の協力が得られたとしても、1か月以上の期間が必要だと言えます。
理由は、上記でご紹介したように物量や物品が多く、仕分けや搬出の経験が少ない方にとっては厳しい状況にとなっているからです。正直に申し上げて私たち業者でも、深刻な状況に驚くこともあります。
さらに、腐敗した生活ゴミやハウスダスト、害虫や害獣により、アレルギー性の喘息などの原因となるなど健康面のリスクも存在します。
衛生的にも、精神的にも非常に難しい作業となることから、ゴミ屋敷の清掃は業者にご依頼いただくことをオススメしています。
業者に依頼するメリット
ゴミ屋敷の清掃を業者に依頼する場合には、以下のようなメリットが存在します。
- 作業時間の圧倒的な短縮
- 残されているものの現金化
- 必要なものを捜索
- プロの作業によるリスク低減と再発防止
「ゴミ屋敷の状況になってしまった部屋や家を見せるのが恥ずかしい」などとためらわず、まずは相談し、その上で依頼するのかどうかを判断しても遅くはありません。
業者に依頼する上でのデメリットは、費用が発生することです。
ただし、必要な費用は場合や業者によって異なります。
そのため、以下の情報をご覧いただき、納得した片付けへの一助となれば幸いです。
作業時間の圧倒的な短縮
業者がこれまでに獲得してきた知見を総動員した作業を行うことで、作業時間を大幅に圧縮できます。
一般にご自身やご家族で行う場合には、仕事や家事などの合間を縫っての作業で人手を確保できなかったり、ゴミ出しの日が決まっているなど時期的なタイミングの問題で作業が遅々として進まないケースも考えられます。
業者に依頼することで、大抵は数日の作業で片付けを完了させることができます。
とくに退去期限が迫っていたり、状況の悪化に歯止めをかけるため、プロに依頼するのは良い選択肢のひとつとなるはずです。
残されているものの現金化
業者に依頼することによって現金化できる物品があります。
高額な貴金属などの一般的に「買取できそうなもの」はもちろん査定の上で現金化できます。
さらに「紙」や「鉄」などの資源もリサイクル品として買取対応を行うことのできるケースがあります。
先にお伝えしてきたように、一般的な遺品整理や生前整理よりも高額になりがちな作業費用をこうしたリサイクル料金などによって圧縮することができるようにもなるのです。
必要なものの捜索
遺品整理を行うために物件を見に行ったらゴミ屋敷だったというケースは残念ながら比較的多いケースです。
このように故人の方の物件を片付けるケースでは重要な書類が紛れ込んでしまっているケースがとても多いため、知見を総動員して創作を行いながらの作業となります。
印鑑や通帳はもとより、遺品整理で残しておく必要があるものは極めて多く、これらをご家族で探すのは到底不可能だと言わざるを得ません。
そのため、残しておいて欲しいものや、必要なものをリストにして事前に業者と共有しておきましょう。
残しておいて欲しいもののリストを共有することで、必要なものを捜索することができるのです。
プロの作業によるリスク低減と再発防止
堆積したゴミの腐敗臭と、トイレまでたどり着けないなどの理由で汚物が点在するようなケースでは、衛生的な問題でプロへの作業を優先すべきだと言えます。
作業に支障をきたすほどの悪臭の場合には、塩素系の消毒やオゾン消臭、特殊な薬剤を用いた作業を行うなど、プロのノウハウでリスク低減を行った上で作業を行います。
また、先にお伝えしましたとおり、リフォームや原状普及などについて依頼することができるため、問題を根治させるために最適な方法をご依頼主の方と一緒になって解決に向けて相談することができるでしょう。
さらに、私たちは再び汚れない部屋を作るためのノウハウをお客様にお伝えすることもできますので、継続して生活をされる方へ専門家の観点から再びゴミ屋敷とならないような工夫をお伝えできます。
価格を抑えたい場合に役立つ3ポイント
価格を抑えたいとお考えの場合には、以下のポイントに注意すると良いでしょう。
- なるべく自分で片付ける(要・不要を分け、物量を減らしておく)
- 3社以上の相見積もりを取るようにする
- 買取・リサイクル可能な物品をしっかりと買い取ってもらう
なるべく自分で片付けておく。
もっとも効果的な方法は作業前に物量を減らしておくことです。
見積もりを依頼する前に、要・不要を判断してゴミ出しをしたり、片付けを行っておくと価格を抑えられます。
手をつけていい場所がわからないほど汚れている場合には、最低限すべての部屋を見て回れるように経路分のゴミ出しをするなどの方法があります。
もちろん、ご自身で片付けることができないために事業者へ依頼している方が多数だと思います。
さらに、害虫がいたり、散乱しているゴミでケガをしてしまうこともあります。
少しでも無理だと感じた場合には、業者に依頼するのが良いでしょう。
複数の業者に見積もりを依頼する(最低でも3社以上)
もっとも有効なのが、複数の業者に見積もりを依頼することです。
すでにお目当ての業者がある場合にも、参考までに別の業者に見積もり依頼されることをオススメします。
その上で、目当ての高くてもきちんとやってくれそうな業者や、目当ての業者よりも格安で品質も良さそうな業者など、あなたに最適な業者と出会うことができるでしょう。
買取やリサイクルを積極利用する
先にお伝えしたように、業者によっては紙や鉄などの資源はリサイクル品として、そのほかの家電や家具など再利用できるものは買取を行うことができます。
買取やリサイクルを積極的に利用することによって、作業費用と相殺することが可能となるのです。
ワンストップで依頼する
仮にハウスクリーニングやリフォームなども含めた作業をお考えの場合には、それぞれを別の業者に依頼するのではなく、ワンストップで対応できる業者に依頼することで、費用を抑えられる可能性があります。
良い業者と出会うために。
良い業者の選び方は、「遺品整理業者の選び方:もし私が業者に依頼するならこうする。」でもご紹介しております。
最低限確認しておくポイントは以下の通りです。
- 制服の有無
- 電話やメールの対応や担当者の雰囲気
- 訪問見積もりで現地確認・調査を行うかどうか
- ホームページなどで明確な料金を示しており、根拠まで書かれているか
- 作業に必要な資格を取得しているか
- きちんとした国や自治体の許認可を取得しているのかどうか
以上は片付けを行う業者としてそもそも当たり前に実施すべきことで、すなわち平均点であると言えるでしょう。
ゴミ屋敷の場合には、ゴミ屋敷をお片付けするための目的が存在するはずです。
たとえば、もう2度と汚れない部屋を作りたい、ゴミ屋敷になってしまっているために退去を求められた、といったものでしょう。
このように目的を定めて、その内容を業者に説明することで、あなたやあなたのご家族が納得するような回答を出してくれるのが良い業者だと言えるでしょう。
平均点を遥かに凌駕する業者にあなたが出会うため、複数の業者と話をし、あなたの目的にそって回答してくれる業者を妥協なく探されることを強くオススメします。
まとめ
私たちのところには、わかっていても「恥ずかしい」となかなか作業を進めることができなかったり、「亡くなった親族の家がゴミ屋敷だった」というように突然、なんとかしなくてはならない状況に陥られた方のご相談もいただきます。
テレビやインターネットの動画サイトでゴミ屋敷について取り上げられることも多くなってきました。それだけ衝撃的な映像であるとともに、ゴミ屋敷でお悩みの方が多いということの証左なのかもしれません。
ゴミ屋敷は再発させないための工夫や、なぜこの状況になってしまったのか、という考慮も極めて重要です。
たとえば、以下のようなきっかけからゴミ屋敷となってしまったというケースを耳にすることがあります。
- 仕事で忙しいので、ゴミ出ししなくなったらそれが日常になってしまった。
- セルフネグレクトのような状況になってしまっている。
- 以前は普通にゴミ出しを行っていたが、ご近所とゴミ出し日のトラブルになってしまった。
- 自治体のゴミの分別が複雑で対応できず、持っていってもらえない日が続いた。
きっかけは些細なことかもしれませんが、長期間こうした状況が続くことで、徐々にゴミ屋敷となってしまったのでしょう。
日頃から家族のサポートや、知人、友人の気づきがあれば状況が変わったかと思うと居た堪れない気持ちになることもしばしばです。
誰にも相談できないとお悩みの方は、ご相談だけでも結構ですのでお声掛けください。
ゴミ屋敷の片付け・整理には一般的なお片づけよりも金額が高くなるイメージをお持ちのかたが多いかと思います。残念なことに、やはりゴミ屋敷は物量が多いために金額が高くなってしまうこともあります。
しかしながら、自分自身で清掃を行おうと思っても極めて難しいのが実情で、やはり業者の手を借りることになるかもしれません。
当記事がゴミ屋敷のことで悩む方への一助となれば幸いです。
最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。