テレビに入っているカードについて、その処分方法についてご紹介します。
テレビといっしょに処分してはいけないって知ってましたか?
B-CASカードについて詳しくご紹介します。
B-CASカードとは?
テレビの横や録画機に挿入されている赤や青のカードをご存知ですか?
これは、B-CASカードと呼ばれるテレビ放送を利用するために必要なカードです。
B-CASカードは、2011年7月から完全移行となったデジタル放送を見るために必要で、現在日本でテレビを見たり、録画をするためにはこのカードが必要です。
B-CASカードは、NHK、民放放送局、テレビメーカーが出資して作った団体「株式会社ビーエスコンディショナルアクセスシステムズ」が発行管理するものです。
B-CASカードの仕組み
それでは、なぜテレビを見るためにB-CASカードが必要となったのでしょうか。
B-CASカードが必要となった理由には、「デジタル放送」という点が大きく影響しています。2011年までの放送は「アナログ放送」でした。
デジタルとアナログの大きな違いは、「完全なコピー」が作成可能かどうか、という点です。
アナログ放送は、何度も繰り返しダビングなどを繰り返すと画像が粗くなってしまっていましたね。
自分が好きなアイドルの出ている歌番組を、編集してダビングしていたのは、いい思い出です。笑
デジタル放送は、アナログ放送に比べて、データとしてやり取りを行えるものになるので、放送している画質や音質をそのままにして、完全なコピーを作り出すことが可能です。
完全なコピーが出来てしまうと、お金をかけて番組を制作しているにも関わらず、DVDやブルーレイといったソフトが売れなくなってしまうことはもちろん、近年問題となっている違法なインターネット上での二次利用(作った人が意図していないところで利用されてしまうこと)に繋がります。
そこで、著作権保護とデジタル放送の正しい利用をするための方式を定め、その利用に合わせて正しく設計されたテレビにのみ、日本のテレビ放送が見られるよう、B-CAS社が日本全国のテレビを使う方に向けてカードを貸し出しているような仕組みが整えられたのです(カードには、「このカードの所有権は当社に帰属します」となっています。つまり、カードはB-CAS社の持ち物で、私たちは、借りていることになるのですね。)
B-CASカードに問題が発生したときは?
B-CASカスタマーセンターによると、B-CASカードには「定められた耐用年数はない」とのことです。
ですから、テレビの寿命と同じか、テレビの寿命以上に使えるカードとなるのですが、稀に故障してしまうこともあるようです。
故障やカードがおかしいな、と思った時には、B-CASカスタマーセンター(電話番号:0570-000-250・年中無休 午前10時~午後8時)に電話をすると、適切な処置方法や、カードに問題がある場合の交換などを受け付けていただけるようです。
「B-CASカードとアクセスが成立しません」「B-CASカードが正しく挿入されていません」というようなメッセージが出て、映らなくなってしまった時は、一度お電話されてみてはいかがでしょうか。
B-CASカードが必要なくなったときには?:リスク
生前整理や遺品整理の際、クレジットカードやキャッシュカードなどについては、非常に気をつけて処理を行いますよね。
実は、このB-CASカードについても、慎重な取り扱いが必要です。
特に、スカパー!やWOWOWといった有料放送を見ていらっしゃる方は、特に注意しましょう。
この有料放送の契約は、実はカードのID番号(カード裏面の20桁の番号)と紐づいているんです。
このカードで契約されているので、このカードを入れたテレビで有料放送が見られるようになっているんですね。(光テレビやケーブルテレビなどは、別の仕組みの場合もあるようです・詳しくはご契約中のケーブルテレビ放送局に聞いてみるといいかもしれません)
ですから、カードをそのまま処分してしまったりすると、契約が残ったまま処分することとなり、費用が掛かり続けてしまうことがあります。
ご家族の方に負担をかけないためにも、事前に有料放送の契約などについては話しておかれると良いですね。
B-CASカードが必要なくなったときには?:方法
先ほど少しお話ししましたが、このB-CASカードは、私たちがB-CAS社から借りているもの、という位置づけのようです。
ですから、カード裏面の注意書きや、「使用許諾契約約款」とよばれるカードの使用上のルールには、
- 勝手に譲渡しない
- 使用しなくなった場合には、連絡が必要
という文言があります。
実際にB-CASカスタマーセンターのお話によれば、このカードは種類によって処分の方法が異なり、お使いのものによってはB-CAS社に返却する必要があるようです。
一般的なものについては、裏側の金色のチップ部分をハサミをいれて破棄できるものだそうです。
しかし、借り物であることと、有料放送契約などの関連で分からないこともありますから、使用しなくなったカードがある場合には、一度、カスタマーセンターに相談すると安心でしょう。
B-CASカードが必要なくなったときには?:売る
B-CASカードは、売れません。
単体で販売することはルール違反になってしまいます。
では、必要なくなったものを回収してもらったり、処分するとき、あるいは、譲渡や販売するときにはどのようにしたらよいのでしょうか。
その時には、「カードは自分自身で管理」して「テレビはカードを抜いて」回収や処分をしたり、譲渡や販売をするとのことです。
まとめ:使わないB-CASカードが出てきたら確認しよう
いかがでしたでしょうか。
こうしたカードがテレビに入っていることさえ知らない方がほとんどです。
かく言う私も、遺品整理に携わる前には全く知りませんでした。私のテレビはというと、設置してくれた電気店の方が入れてくれていたようです…。
本来は、自分自身で剥がして、テレビにいれることで、「ルールに承諾した」ことになるとのことです。電気屋さんに設置してもらったら、一緒にお願いしてしまいますよね。笑
今回のまとめとしては、
- 必要なくなったB-CASカードは勝手に捨てないで、カスタマーセンター(電話番号:0570-000-250・年中無休 午前10時~午後8時)に確認してみる。
- スカパー!やWOWOWの契約があるときには、B-CAS社以外にも、契約している放送局に契約が残っていないか確認してみる。
以上です。
こうしたカードのことで、正しく処置を行わないと思わぬリスクとなることがあります。
知っていれば、なんてことはないことばかりなのですが、知らないだけでリスクにつながるのは怖いですよね。
皆さんのお役に立てたら嬉しいです!