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統計で見る孤独死(2018):過去15年で2倍以上に増加

全国で2万人を超える孤独死。東京都監察医務院の統計データから、過去15年間で大幅に増加する傾向が見受けられます。孤独死を避けるために、孤独死への知識が必要です。
孤独死の現場
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全国的に孤独死を迎えられる方が増え続けています。

横浜ベスト遺品整理社は、孤独死による特殊清掃業務も請け負っており、孤独死の現場のお片づけ以外にも、殺菌、消臭などを含めたサービスを実施しております。
当社でも2018年に入ってから、去年と比較しても孤独死での依頼が経験したことのない増加傾向にあります。

孤独死は全国で年間で2万6821人にのぼると言われる

2011年発表のニッセイ基礎研究所による資料では、孤独死が全国で年間で2万6821人にのぼったということです。

民間の調査機関「ニッセイ基礎研究所」(東京)は11年、東京23区での孤独死者数と全国の人口動態統計のデータを使って、全国の65歳以上の孤独死者数の推計値を出した。「自宅で死亡し、死後2日以上経過」を「孤立死」と定義した場合、年間で2万6821人にのぼったという。

孤独死に詳しい日本福祉大の斉藤雅茂准教授(社会福祉学)は「高齢者の孤独死は、生前に身の回りの衛生管理や他人との交流が欠落している場合が多く、尊厳が保たれた最期とは言えない」と指摘。その上で「問題の規模感を把握し、対策を講じるためにも行政による調査は必要。定義は絶えずブラッシュアップすればいい。国や研究者が一定の定義を示し、地域に近い市町村や警察が連携しながら調査を進めるべきだ」と話している。

朝日新聞『孤独死、推計2.7万人 つかめぬ実態「国に定義なく」』菅原普・2018年9月18日19時51分発表

47都道府県に朝日新聞が調査したところ、調査を実施しているのは北海道と鹿児島県のみという状況でした。全国的には、明確な統計データが存在しないのが実情のようです。「孤独死」というものに明確な定義がないことが主な理由のようです。

孤独死について詳しくは、別の記事「孤独死予備軍:あなたの両親に孤独死はないと断言できますか。」にてご紹介しております。

東京都監察医務院の統計データ

先にご紹介したニッセイ基礎研究所の資料は2011年のものです。最近の動向を知る上で役立つ統計がないかどうか探しました。

すると、東京都福祉保健局の東京都監察医務院での統計を見つけることができました。

東京都監察医務院とは、東京都文京区にある東京23区内で発生した全ての不自然な死を迎えたご遺体を法律に沿って行政解剖を行うところです。

監察医については、内容は少し異なりますが、ドラマ『アンナチュラル』などでも取り上げられ話題となりました。監察医制度自体や、行政解剖のあり方についても、注目しなければならない問題が多数存在するのですが、今回は割愛いたします。(興味のある方は、ぜひお調べくださればと思います。)

ご紹介する東京都監察医務院の統計データは、東京都のものです。そのため、全国規模でに考えるには地域の環境や特性を考慮に入れる必要があるため、単純な検討はできません。さらに、データはあくまでも「単身世帯で自宅で亡くなった高齢者の方」ですので、自殺や事故も数に含まれます。しかしながら、大まかな傾向を知ることはできるはずです。平成15年から29年までのデータをグラフにしたものが以下の図です。ご覧ください。(スマホでご覧の方は拡大してご覧ください。画像が小さくてすみません)

東京都観察医務院で取り扱った自宅住居で亡くなった単身世帯の者(65歳以上)のグラフ

グラフは、東京都監察医務院による「東京都監察医務院で取り扱った自宅住居で亡くなった単身世帯の者の統計」の資料から、「【東京都23区合計】年齢階級(5歳階級),性・世帯分類別異状死数(自宅死亡)」の中の65歳以上の単身者世帯のデータをまとめたものです。

過去15年間で男性の孤独死は2.7倍に

上に紹介したグラフを見ると、東京都内で単身で亡くなる65歳以上の高齢者は、過去15年で約2倍、その比率は女性が1.8倍、男性については2.7倍と驚くべき数となっています。孤独死は男性の方が比較的多いことは、日々の業務から感じていましたが、東京都内でこれだけの方が一人亡くなっているという事実は、驚愕に値します。

2019年最新データから作成したグラフ

2019年8月公表の平成30年の孤独死者数

※2019年9月1日追記

2019年8月に東京都監察医務院のウェブサイト上で公開された東京都監察医務院による「東京都監察医務院で取り扱った自宅住居で亡くなった単身世帯の者の統計(平成30年)」の資料を含むグラフを作成しました。

2019年8月公表の平成30年の孤独死者数を盛り込んだ東京都監察医務院で取り扱った自宅住居で亡くなった単身世帯の者の統計のグラフ

今回のデータでは、東京23区内の自宅住居で亡くなった単身世帯の65歳以上の男女は、2003年以降過去最高となり、総数が5,953人で、男女共過去最高となりました。

ここ数年では男性の増加割合が上昇しており、東京23区で深刻な孤独死の実態が分かります。

関係が貧困であるために、孤独死に繋がる

「関係の貧困」の状態にある高齢者は、時代とともに増えている。家族の絆が乏しい未婚の高齢者は、2000年では58万人だったが、2015年では155万人になり、2040年には255万人に達すると予測される(国立社会保障・人口問題研究所)

全国の孤独死の3分の1は東京23区で起きている舞田敏彦(教育社会学者)・2018年9月26日13時30分発表

自宅の隣にどのような方が住んでいらっしゃるかを全く知らなくてもインターネットで物が買える便利な時代ではありますが、こうした便利さが、もしかすると孤独死の増加に拍車をかけているのかもしれません。

横浜ベスト遺品整理社では、もちろん特殊清掃案件なども対応しておりますが、「孤独死」という本当に寂しい最期を迎えられる方が少なくなることを祈っています。私たちの遺品整理は、「ご遺品」はゴミではなく、故人様がお使いになられていたものであるということを前提としています。ご遺族様のお気持ちに沿い、また残されたご家族の方にもお別れの一つのきっかけとなる遺品整理を行えるように、また、悲しい最期を迎えられる方が少しでも少なくなるように、お忙しい中かとは思いますが、ご両親のことを考える時間を作ってみてください。

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