遺品整理とは捨てるのではなく、手続き含めて対応していくこと
遺品整理とは、ただ捨てるだけではありません。様々な手続きも含めて遺品整理なのです。親族が亡くなったら皆さんはどうしますか?
例えば親が亡くなれば思い出が走馬灯のように脳裏をよぎり、悲しみにくれてしまうでしょう。
でも、現実は悲しんでばかりはいられません。各種手続きをはじめ、様々なことをしなければならないのです。
手続きも煩雑です。
死亡後7日以内に役所に死亡届を提出しなければなりません。
死亡届が受理されると「火葬許可証」または「埋葬許可証」が発行されます。
この許可証を葬儀社に示して、火葬の申し込みや葬儀の準備を始めます。
葬儀が済んだらお墓を建立したり戒名を決めたりと、忙しく日々が過ぎていくはずです。
遺品整理の片付けまでには、まだ、しなければならないことがあります。
銀行口座を止めたり、生命保険に入っていた場合、その手続きも必要です。
健康保険や年金に加入していた場合も同様に手続きが必要になります。
国民健康保険に加入していた場合、葬祭費などが自治体から支給されるケースもあるので、確認してください。
なお、支給される葬祭費の額は自治体によって違います。横浜市や川崎市では5万円が支給されます。
さらに相続の問題。これは複雑ですので弁護士などの専門家に相談するのが良いでしょう。
相続すべき財産の確認など、多岐に渡って調べなければなりません。
人が一生を終えるということは、その生きていた証を全て引き継ぐということです。
数十年に及ぶ人生を引き継ぐのは、とても大変なのです。
親族の立場では、これら手続きを全て含めて「遺品整理」ということになります。
遺品整理を進めるうえで事前に準備しておくべきこと
相続のための財産の確認
故人が銀行口座をいくつ持っていたか、あなたはご存知ですか?
もし銀行口座が一つだけなら、さほど手はかからないでしょう。
ではインターネット上の銀行に口座を持っていたらどうでしょう?
最近流行りのビットコインなどの仮想通貨を持っていたらどうでしょう?
このようなデジタル遺品には、より注意が必要です。
パソコンやスマートフォンが残されていたら、詳しい人にチェックしてもらうのが確実です。
特に負の遺産、つまりローンなどの負債を抱えている場合が問題です。
郵便物だけではなく、電子メールにも気を付けてください。
相続放棄には期限があります。負債の発見が遅れると、相続放棄もできなくなる恐れがありますので、要注意です。
そのほかの遺品整理の準備
その他の遺品に関しても、準備が必要になります。
賃貸マンションなどの場合は、借りた時の状態に戻さなければなりません。
いわゆる原状復帰です。原状がどのような状態だったか分からなければ、斡旋した不動産屋さんに聞くのが一番確実です。
ベランダに物置があっても、借りた時からあったものかもしれません。
エアコンや照明器具も同様です。
原状確認は大事なことですので、必ず行ってください。
また、お炊き上げなどご供養するものも、予め選別しておいたほうが良いでしょう。
形見分けもリストを作り、その数に合わせて選別しておくと後が楽になりますよ。
もし迷ったら、遺品整理士など専門家に相談すれば、解決方法が見つかるかもしれません。
遺品整理対象チェックリスト 基本6項目
1:手続き 役所などへの届け出や申請
死亡届、火葬許可証、火葬や葬儀の申し込み、健康保険や年金手続き、準確定申告
葬祭費の申請(地域によります)
2:手続き 故人の生活関連
電気・ガス・水道・公共放送・ケーブルテレビ・インターネット回線や
プロバイダーなどの契約解除、モデムの返却、電話・携帯電話の解約
銀行口座の凍結、クレジットカードなどの解約、生命保険などの連絡
3:相続準備 弁護士などの専門家に相談
遺言書の確認
もしあった場合は開ける時に「検認」という公的手続きが必要です。
検認は裁判所で行います。
また、負債などがあって相続を放棄する場合は、基本的に3ヶ月以内に
行わなければなりません。
4:故人の家屋内にある財産的価値があるものを確認
貴金属、骨董品、美術品、またレンタル倉庫の有無も確認しましょう。
5:形見分け選別
形見をお分けする人数を確認して、リストを作っておくと役に立ちます。
6:残った全ての遺品を整理
原状復帰のために原状を確認しておくとスムーズに進みます。
残したいものの確認、供養品の確認、不用品の撤去・処分などを行って、
住居内に何も残らない状態に戻します。
4~6は、迷ったら遺品整理士など信頼できる遺品整理の専門家に相談するのが早道です。
室内の片付け中に見つかることも、よくあります。
遺品整理はなるべく早い段階で、遺品整理士などの専門家に相談した方がいいでしょう。
慣れない作業です。任せるところは専門家に任せたほうが安心できますよ。