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電子マネーの相続手続きはどうする?返金できるか調べました。

電子マネーは相続財産とみなされ、相続税の課税対象になります。正しく残高を把握するためには、アカウントへのアクセスが必要でトラブルになることも。
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電子マネーの普及に伴い、高額な残高をチャージできるサービスが登場しており、普段の生活がより便利になる一方で、相続の問題が発生していることが問題となっています。

とくに、遺族にとってはデジタル遺品の取り扱い方法がわからず、一度チャージした金額を払い戻すための方法がわからないといったお声を伺うことがとても増えてまいりました。

そこで今回は、電子マネーの相続手続きについてトラブルを避けるための知識をまとめてお知らせします。

電子マネーとは何か?

そもそも電子マネーとは、現金をデジタル化して通信することで完結する決済の方法です。

現金の代わりに使えるイメージですが、クレジットカードと大きく異なるのが決済のタイミング。

電子マネーの種類によって、チャージしたお金を使用するプリペイド型や、使った分を後払いするポストペイ型など、多くのタイプが存在しているのが特徴です。

スマートフォンの普及と非接触型決済への積極的な切り替えが推奨されたり、マイナポイントについての政策が積極的に展開されていたりと利用率は日に日に高まっているように感じられます。

三菱UFJリサーチ&コンサルティングの2022年9月の調査によれば2021年に行われた決済のうち実に3割が現金以外の方法で行われ、このうちキャッシュレス決済を「よく利用している」とする者の比率は2019年12月の54.2%から2022年2月には64.0%に増加しているとされ「利用頻度の高いキャッシュレス決済手段として、「バーコード、QRコード決済」を挙げる者の比率は51.8%にまで増加」しているとのこと。(いずれもn=1,800人程度。)

現金を利用せずに決済する人が年々増加していることがわかります。

こうした事情は、電子マネーの相続といった新たな問題を生んでいます。

QRコードを利用したキャッシュレス決済として有名なPayPayは、一定金額以上のお金が戻ってこないなどの規約上の問題が指摘されていましたが、数年前に規約を改定し、一旦チャージされた金額の返金に応じるようになりました。

第5条 権利義務などの譲渡の禁止および相続
PayPay残高アカウントに関する契約上の地位およびこれにより生じる権利義務の全部または一部は、利用者に帰属し、利用者は、これらの権利を第三者に譲渡、貸与または相続させることはできないものとします。ただし、利用者に相続が発生し、利用者のPayPay残高アカウントにPayPayマネーまたはPayPayマネーライトの残高が残っていた場合、当社は当社所定の方法に基づき、法令に定める例外事由等を考慮の上、当該利用者の保有するそれらの残高を正当に相続または承継すると当社が確認した者に対し、振込手数料を控除した額を振り込みます。
PayPay残高利用規約

電子マネー利用者の増加に伴い、今後、相続による返金等が必要となってくるケースも想定されることから、各サービスでも規約の整備や改訂が行われる可能性がありそうです。

現状では、電子マネーごとに規約が存在していて、持ち主が亡くなったと同時に権利が失効するものも存在します。

そのため、残高を家族が引き継げるものと引き継げないものがあるため注意が必要です。

くわしくは専門家に相談したり、サービスへ問い合わせ流など確認をされるのが良いでしょう。

相続人が知っておくべき電子マネーの取り扱い方法

それでは、具体的に相続人やこれから終活に取り組もうとされている方が知っておくべき内容を簡単にご紹介いたします。

電子マネーは相続財産。相続手続きが必要です。

電子マネーは相続財産に含まれます。

そのため、現金と同様に扱い、他の財産と合わせて、相続税の基礎控除額を超異化するようであれば、相続税を申告しなくてはなりません。

https://www.bestworkers.jp/family-home/inheritance-tax-calculation-and-special-provisions/

遺言等がない場合には、相続人全員による遺産分割協議を行いうなど、一般的な相続手続きを行う必要があります。

くわしくは以下の記事をご覧ください。

葬儀後のやることリスト:死亡届提出後に必要な手続き一覧

電子マネーの残高を確認する方法は? スマホ解約前の確認が大切です。

遺産分割協議を行う上では、電子マネーの残高を確認する必要があります。

ここで重要となってくるのが、アカウントの持ち主の情報です。

より具体的には、アカウントの登録情報のことですが、ユーザー名やパスワードといったものだけではなく、2要素認証に使っているスマートフォンのPINコード(パスコード)が重要です。

2要素認証を用いているようなケースでは、スマートフォンの契約を残しておかないと、SMSなどによって二要素認証の4桁や6桁のパスワードを確認したり、2要素認証を行う術を失うことになってしまいます。

つまり、スマホを解約してしまうと、電子マネーを回復できなくなってしまう、といった状況になることも少なくありません。

電子マネーにチャージできる金額は上限で10万円を超えるケースも多く、まとまった金額であることから、しっかりと取り出せるようにしたいところです。

不測の事態を避けるためにも、スマホの契約は問題のない範囲でしばらく残しておくのが良さそうです。

電子マネー「PayPay」の残高を相続するには。

電子マネーの代表的存在である「PayPay」では規約改定が行われてから、利用規約に利用者に相続が発生し、利用者のPayPay残高アカウントにPayPayマネーまたはPayPayマネーライトの残高が残っていた場合に払い戻しを行うと明記されました。

亡くなった人のペイペイ残高の払い戻しには、以下の書類が必要と記載しているサイトもありましたが、公式サイトに情報がなく真偽不明です。

  • 登録者の死亡が確認できる除籍謄本(戸籍謄本)
  • 開示請求者が登録者の相続人であることが分かる戸籍謄本一式
  • 法定相続情報一覧図の写し(法務局の発行する認証文付きの書類原本)
  • 登録者の携帯電話番号の契約書または請求書(死亡者の名前と携帯電話番号が記載されているもののみ有効)
  • 問い合わせしている本人の本人確認書類(保険証、運転免許証、住民票)

ダイアモンド・オンライン「PayPayの残高が「相続可能」に、デジタル遺産を巡る深刻な現状と対策

チャットへ問い合わせたところ、カスタマーサポート窓口へ案内されることから、PayPayの残高を相続する手続きについてはカスタマーサポートへ連絡するのが最も良い方法なのではないでしょうか。

▼PayPayカスタマーサポート窓口
電話番号:0120-990-634
窓口時間:24時間受付 / 土日祝日を含む365日
PayPay 問い合わせフォーム

そのほかの電子マネーについてもカスタマーセンターへの問い合わせを行うことでご案内がありそうです。

そのほかの電子マネーについて

以下、そのほかの電子マネーについて利用規約を確認してみました。

いずれも2023年3月時点の情報であるため、利用する際にはしっかりと確認の上で手続きを進めると良いでしょう。

LINE Pay

4 LINE Payアカウントに関する一切の権利は、利用者に一身専属的に帰属します。利用者は、これらの権利を第三者に譲渡、貸与または相続させることはできません。ただし、LINE Moneyアカウント保有者に相続が発生し、LINE Moneyの残高がある場合、当社所定の方法により、相続人に対し、振込手数料を引いた上で返金いたします。なお、振込手数料がLINE Moneyの残高を上回る場合には返金は行いません。
LINE Moneyアカウント利用規約

PayPay

第5条 権利義務などの譲渡の禁止および相続
PayPay残高アカウントに関する契約上の地位およびこれにより生じる権利義務の全部または一部は、利用者に帰属し、利用者は、これらの権利を第三者に譲渡、貸与または相続させることはできないものとします。ただし、利用者に相続が発生し、利用者のPayPay残高アカウントにPayPayマネーまたはPayPayマネーライトの残高が残っていた場合、当社は当社所定の方法に基づき、法令に定める例外事由等を考慮の上、当該利用者の保有するそれらの残高を正当に相続または承継すると当社が確認した者に対し、振込手数料を控除した額を振り込みます。
PayPay残高利用規約

楽天キャッシュ(楽天Pay)

楽天キャッシュは「支払い元」であるのに対し、楽天Payは「支払い方法」となるため、チャージは、楽天キャッシュに対して行うものです。

楽天キャッシュ【基本型】に関する契約上の地位及びこれにより生じる一切の権利義務は、会員に一身専属的に帰属し、会員は、本規約に特段の定めがある場合を除き、これらの権利を第三者に譲渡、貸与又は相続させることはできません。ただし、会員に相続が発生し、当該会員に楽天キャッシュ【基本型】の残高がある場合に、当社は、当社所定の方法より、正当に相続又は承継すると当社が確認した方に対し、振込手数料を控除した額を返金します。なお、振込手数料が楽天キャッシュ【基本型】の残高を上回る場合、当社は、返金を行いません。
規約・資金決済法に基づく表示

d払い

d払い残高にチャージしたお金を利用できるd払い残高というサービスに対して返金が行われる仕組みのようです。
詳しくはd払いHP「お手続き内容と返金の受取方法」をご覧ください。

まとめ

今回は、相続における電子マネーの取り扱いについてご紹介いたしました。

デジタル相続の取り扱いや、チャージされた金額の返金方法についてトラブルを回避するためには、相続人が電子マネーの取り扱いについて整理して、理解しておくのが重要だと言えます。

また、電子マネーは相続財産とみなされ、相続税の課税対象となります。

正しく残高を把握するためには、アカウントへのアクセスが必要で、利用していた人が2要素認証を利用していた場合、スマートフォンを急いで解約すると、残高にアクセスするための方法がなくなってしまう可能性があるため、慎重に解約の判断をするのが良いでしょう。

この記事が、電子マネーの相続でお悩みの方への一助となれば幸いです。

最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。

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