遺品整理業者をお探しの中「遺品整理業者がたくさんありすぎて選べない」というお客さまのご意見を頻繁に伺います。
中には、お知り合いの方の紹介やネット検索、比較サービスを頼りに検討していらっしゃる方もいることでしょう。
10年前とは打って変わって、遺品整理業者の数も1万社を超えているとされ※1、各社が創意工夫を重ねているために遺品整理業者の選択肢はとても増え、良い業者と巡り会える確率は格段に高まりました。
その一方で「良い遺品整理士・悪い遺品整理士」を見極めるポイントがわからないという声もまた頻繁に聞かれます。
今回は、遺品整理事業を20年以上続ける私たちが「その業者が、あなたにとって❝良い遺品整理業者❞かどうか」を見極めるたったひとつのポイントをご紹介いたします。
遺品整理サービスは、3タイプに分けられる
はじめに、世の中の遺品整理業者は「低価格型」「併用・複合型」「サービス特化型」の3つに分けられます。
低価格型
必要最低限のサービスに注力することで低価格を志向する遺品整理業者です。
必要最低限のサービスとは仕分けと搬出、お片付けといった最低限のサービスです。
あなたがお考えの遺品整理が、家具や家電を除いたモノが段ボール5箱以内に収まりそうなケースでは、低価格型の遺品整理で事足りるかもしれません。
相場は1部屋おおよそ35,000〜50,000円程度、といったところでしょうか。中には8,000円からという破格の企業さんもいらっしゃると聞きます。低価格というだけで消費者にとっては有力な選択肢のひとつとなることでしょう。
ただし注意点があります。
まれに積み放題2万円や、2.5万円以下などの破格の遺品整理料金を売りにしている業者に依頼した方が「遺品整理士から折り返しがない」とか「高額な後請求をされた」といった理由で別の企業を探したり、警察に相談しているというケースがあります。
遺品整理は一生に何度もあることではありませんし、作業に着手してしまうと巻き戻しができませんので、値段が安いからという理由で依頼するのは非常にリスキーだと言わざるを得ません。
併用・複合型
何度もヒアリングを行い、想定されるリスクや費用、ご実家の今後についての提案など、コンサルタントとしての立場から相談に乗ってもらえるのが複合型の遺品整理企業のサービス展開です。
遺品整理と同時にワンストップで、不動産売買や遺品の買取を謳う事業者がこれにあたります。
相続や不動産売買といった目線から見た遺品整理の作業方針やタイミングなど重要な検討事項を事前に察知できるメリットがあります。
また、部屋の物量や部屋数が多くなると、遺品整理の作業内容が違うだけで、料金が大きく変わることもあります。予算内で収まらなくなってしまったというケースも少なくありません。
ゴミ屋敷など相当数のものが存在する場合や、実家の部屋数や敷地面積が大きな場合には作業上のさまざまなリスクに見舞われる機会が多くなります。
そのようなリスクを計画段階からサポートしてもらうにはやはり付加価値型の遺品整理業者に依頼するのが良いでしょう。
サービス特化型
遺品整理業界全体から見れば数は多くありませんが、業務内容や商務種別に特化することで、一定のターゲットに集中させて深い知見をいかす遺品整理業者もあります。
生前整理専門や特殊清掃専門の企業もそのひとつです。
ただし、専門と謳っていても集客が目的で実はそこまで詳しくない、といったケースも存在します。
特化型であるかどうかの判別は一般の方には非常に難しいと言わざるを得ません。
しかしながら、特定のサービス、たとえば「特殊清掃に特化している」と表現されていたからといって鵜呑みにするのは危険と言わざるをえません。
遺品整理業社の成り立ち
これら「低価格型」「併用・複合型」「サービス特化型」3タイプの中にさらに3つの成り立ちが存在します。
- リサイクルショップ・出張買取などの買取業社が遺品整理を行うようになった
- 不用品回収・産廃処理業社などが遺品整理を行うようになった
- 街の電気屋さんやショップが新たに遺品整理業へ参入するようになった
遺品整理士は、国家資格ではなく民間資格であるため、仕事内容はとても専門知識が必要なのにもかかわらず、参入が比較的容易という点も影響しているのかもしれません。
買取業社出身の遺品整理業社は、遺品を買い取り、独自のルートで販売することに長けています。
不用品回収や産廃処理業社出身の遺品整理業者は、リサイクルなどのルートを選定し、処分費を抑えるための企業努力を行なっているところが多いでしょう。
別の事業を行なっている業者が、新規参入する場合、今まで接客や別事業を行なっていた観点から、新しいサービスやお客様の意見を積極的に取り入れた業務を展開しています。
それぞれの成り立ちが、買取での値引きや、リフォームといった形で作業に反映されます。出自が異なっているために考え方やサービス内容も異なっているのです。
遺品整理業者を見極める1つのポイントは目的と提供サービスとのバランス
以上にご紹介したように、遺品整理の業者には、おおよそ3種類のタイプと3つの成り立ちがあることをお伝えしました。
重要なのは、3種類のタイプを理解した上で「自分がどのような遺品整理業者に依頼したいのか」を決めることです。
この自分がどのような遺品整理業社に依頼したいのかをハッキリさせれば、自ずと選ぶべき業者が決まってきます。
たとえば「品質などすべての面を差し置いて、価格を優先したい」と考える方が選ぶべきなのは「低価格型」というようにです。
すなわち、業者選びでもっとも大切なのは「お片付けを行う目的」なのです。
そして、遺品整理業者を見極めるためのたった1つのポイントは、あなたが整理をする目的と、それに対しての提供サービスとのバランスにあると言えるのです。
まずは、お片付けを行う目的である「相続」や「実家の今後」について考えてみることをオススメします。
具体的に探すには?
目的がハッキリとしたら具体的に探してみると良いでしょう。
もっとも手早くお探しになる場合には、ネットで検索して数社に候補を絞り込み、実際に見積もりや現地調査に招くことで、対応や経験値などおおよその手がかりが得られることでしょう。
より具体的な遺品整理業者の探し方は、以下のページをご覧ください。
クチコミや知人の紹介の問題点
クチコミや知人の紹介についても問題点があることは認識しておいた方が良いかもしれません。
いかにもリアルな比較サイトでのクチコミや、ネット検索よりもリアルな知人の紹介においては「この業者で間違いないだろう」と判断することもあるでしょう。
しかしながら、知人にとっては良い業者だったとしても、あなたにとって良い業者とは限りません。
遺品整理の現場は人それぞれ千差万別で、唯一無二です。状況によって知人にとっては良かったポイントも、あなたにとって良いポイントではないといったケースも十分に考えられます。
もちろん、信頼できる知人の紹介は有力な選択肢となります。
しかし同時に、あなたにあった業者を選ぶのは、他でもないあなたご自身だということは、十分に意識していただくことも忘れないようにしたいものです。
また、クチコミはサービスによっては自作自演が行われるなど恣意的にコントロールできたり、点数の基準が明確でないなど鵜呑みにはできないことは十分に注意し、参考程度に留めておきましょう。
他のサービスであれば、評価をもとに訪問してたとえ自分に合わなかったとしても、また次のサービスを探せば良いかもしれません。
しかし、一度きりの遺品整理は「元の状態に巻き戻す」ことはできませんので、十分に注意しておくと良いでしょう。
事業所が近所にあるからという理由で決定したときの問題点
何かあった時に、すぐに連絡が取れるようにと、近くに事業所のある遺品整理業社を選ぶ方も一定数いらっしゃいます。
もちろん、すべての業者が同じ能力で同じサービスを提供してくれるなら、近い方が良いでしょう。
しかし、距離よりもあなたの希望や要望に真摯に答えてもらえる方が、はるかに重要であることに議論の余地はないでしょう。
近くにあるからといって、有事の際にすぐに駆けつけてくれる業者とは限りません。
悪徳業者にも注意を。
急成長する遺品整理の業界では、業者は案件の急増に対処しなくてはなりません。
しかし、社内スタッフの人数が限られているような場合は、どのような対策を取るのでしょう。
そこに、登場するのが「下請け」の存在です。
急増する案件を下請け業者を使って、別業者に依頼するケースが存在します。
ウェブサイトを見ると「顧客満足度」とか「有料企業」といった文言やイラストが踊っています。
嘘偽りを並べているわけではないのですが、信憑性をすぐに確かめられないのも事実。
さらに最近は悪徳業者の暗躍が社会問題になっているので注意したいところです。
遺品整理の相場は、間取りや残されている物量によって決まります。しかしながら、その明確な規定がないため、お客様に混乱を招く要因となります。
さらには、実際に作業を行うのが別の業者だったということを、作業時に知らされる、という例も少なくありません。信じられますか!? ありえません。
たとえば、A社に依頼したのにもかかわらずB社が見積もりや作業に訪問する、といったような例です。
もちろん品質管理は徹底していると思いますが、依頼している屋号とは別の会社が作業に来る場合、トラックにデカデカと「遺品整理」と書かれていたりしたら気分は良くありません。
まとめ:自分に合った業者を選ぶために
遺品整理という業種は、その業務内容の性格上、テレビや新聞などのメディアでは、「気持ちに寄り添う」とか「個人の気持ちを汲み取って作業を行う」というように、感情面にスポットライトが当てられます。
無論、遺品整理は、故人様の物品を取り扱う職業であるからこそ、ご遺族様のお気持ちを斟酌すべきです。
しかしながら、さも「ご遺族様の気持ちはわかっています。辛かったですね」などと心配しているようなフリをしたところで、それが負担になってしまう例は十分に考えられるのです。
自分は良いと思って行なったことが、結果として人を傷つけてしまった、という経験を誰しもしているはずです。
ですから、横浜ベスト遺品整理社は仕事に徹する黒子となること。これを一番大事にしています。
「助けてあげます」といっている人が、当事者を無理解であることほど、残酷なことはないからです。
皆様の遺品整理が納得のいく結果となることを祈っております。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。