遺品整理をご決断されたお客様は、それぞれ解決されたい課題をお持ちです。
私たちは、東京都や神奈川県エリアで遺品整理を行なっていますが、近年では遺品整理に加えてリフォームを行う前提でのご依頼をいただくことが多くなってきています。
遺品整理を終えた後は、畳、壁紙、フローリング、キッチンといった住宅の状態が目に付くことが多いからでしょう。
遺品整理をされ、その後リフォームをお考えの方にとって信頼できる業者選びや料金などについてお悩みの方も少なくないはずです。
今回は、遺品整理とリフォームを業者に依頼する場合のポイントをご紹介します。
※なお、当社でも遺品整理に合わせたリフォームを行なっておりますが、当社によるポジショントークではなく、遺品整理とリフォームをご検討のお客様により良い情報をお届けすることに努めております。ご意見やご感想、ご相談などは、当社にご依頼いただかなくとも構いませんので、お気軽にご連絡ください。
遺品整理におけるリフォームとは何か
遺品整理におけるリフォームの意味は、一般的なリフォームとなんら変わりはありません。
しかしながら、遺品整理におけるリフォームには、考え方や施工の方法などで注意すべき点や、事前に把握しておきたいポイントが複数あります。
そもそも、リフォームとは、今後住むお部屋を今までよりも快適な環境とするために、増築や改築あるいは修繕を行うことです。
この意味での一般的なリフォームという言葉は、間取りの変更や増築といった大きなものから一部屋の改修までを指し、水漏れの修理や建具の修理などについては、リフォームと区別することが多く「修繕」などと表現します。「水漏れによるリフォーム」などといった表現をすることはあまりありません。
加えて、遺品整理におけるリフォームについては、あなた自身が期待する結果や目的が最重要です。
リフォームとハウスクリーニングの違い
遺品整理作業を行う業者は、簡易清掃やハウスクリーニングのサービスを提供しているのが一般的です。
リフォームとハウスクリーニングの違いは、明快です。
ハウスクリーニングは、今の部屋の現状のまま丁寧に掃除を行うことです。
対してリフォームは、今の部屋の現状から傷んでいたり変えたいところを撤去し、新設することを指します。
残念ながら、ハウスクリーニング作業はあくまでも清掃であり、綺麗な状況まで回復させることはできるものの「予想よりも綺麗にならなかった」といった印象となってしまうこともあるようです。
とくに築年数が数十年と経過し、経年劣化が随所に見られる場合には、ハウスクリーニング作業では劇的と言えるまでの変化を望むことはできません。
ただし、古民家再生などのように、縁側のある伝統的な日本建築の良さを損なわないためのハウスクリーニング作業を行うという視点も重要かもしれません。
もちろん、リフォームを行わなくとも、ハウスクリーニングで十分な結果を得られる場合も多数見てきましたし、事実そのようにお客様にお伝えすることもございます。
遺品整理もリフォームもそれ自体が目的ではない。
私たち横浜ベスト遺品整理社は、遺品整理を「お部屋のお片づけ」と定義しています。
つまり、遺品整理は目的ではなく、あくまでも手段としてのサービスです。
遺品整理が手段であれば、その目的とはなんでしょうか。
- 賃貸物件であるために、早期に引き渡しを行わないといけない。
- 残された実家を有効活用する。セカンドハウスとして利用する。
- 実家を賃貸利用したり、売却する。
- 実家を解体する
- 相続放棄を行う予定だが、早急な遺品整理作業が求められている。
たとえば、以上のような目的が存在するはずです。
これらのケースにおいては、遺品整理を行なった後に、それぞれの目的のためにリフォームや解体といった作業が必要です。
すなわち、あなたご自身の目的を達成されるための手段として遺品整理やリフォームというサービスが存在するのです。
私たち横浜ベスト遺品整理社では、お客様がどのような目的で遺品整理を行われるかを事前に詳しくヒアリングすることで、最適な計画をご提案しています。
遺品整理後のリフォームは目的に合わせて、セットで考える
もしもあなたが、遺品整理を行なった後に実家を相続して住んだり、賃貸利用したり売却するようなケースでは、遺品整理とリフォームはセットで考えるべき内容となることでしょう。
とくに実家を相続して住むような場合には、壁を抜いて大きなリビングへとリフォームしたり、システムキッチンを導入するなどといった目的をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
さらに、賃貸利用や売却するようなケースではリノベーション(大きな工事で家の性能を向上させたり、価値を高めたりすること)が求められるかもしれません。
実家を相続する場合には、賃貸で収益性のある物件することができれば税金軽減ばかりでなく、継続的な収入が見込めるとあって、家族に貢献する財産となることでしょう。築年数が古くてもリノベーションによって一定の需要を確保することができるケースもあります。
これらのように遺品整理とリフォームは目的に合わせてセットで考えると、ご自身の選択肢をより明確に選ぶことができるようになることでしょう。
遺品整理とリフォームをセットと考える上で、選択肢のひとつとなるのが、1社へ専任で実家や自宅のお片づけと、その後のリフォームを依頼する方法です。
あなたのリフォームへの期待を形にするための1社専任リフォームという解
リフォームにおいては、お片づけが必須であり、そのために遺品整理業社によるお片づけ作業が必要となることをお伝えしました。
この意味で、リフォームは遺品整理や生前整理を心得ている専門業社に依頼することによって、あなたの期待通りのリフォームを実現するだけではなく、ムダのないリフォームが可能となります。
豊富な知見と長い作業時間の中から最適なリフォームを事前把握できる
リフォームの成功は、お客様の具体的な期待と、施工する業者による過去の知見を総動員した施工がカギになるのです。
たとえば、先にご紹介した孤独死の事例であれば、特殊清掃について豊富な知見を持つ業者の場合、ニオイの原因や解決方法について今までの経験を生かした対策方法を提案してくれることでしょう。
また、作業をくまなく行う遺品整理業社は、建物の痛みについても作業中の時間を利用して把握しています。
別業者に見積もりを依頼する場合には、修繕箇所等を1時間程度で見て回ることが少なくありませんが、遺品整理の実作業時間は少なくとも半日以上です。
あなたの目的や課題をヒアリングした上で、この時間内に多くの修繕箇所を把握しながら最適な提案を行うことができるのです。
ムダなリフォームを回避する知見の重要性
リフォームには知見が極めて重要になります。
過去に豊富な片付け作業とリフォームを行なってきた業者に相談することで、お客様の予算に応じた必要十分なリフォームを実現できます。
たとえば、最低限の予算で原状復帰のようなリフォームを行う場合には、事前知識が豊富でないと直さなくても良い箇所までリフォームしてしまう可能性があり、余分なお金が必要となってしまう危険性があるのです。
遺品整理とリフォームを1社へ専任するメリット
遺品整理とリフォームを1社へ専任するメリットは、ムダなリフォームを回避するだけではありません。
- 遺品整理後のリフォームについて品質を保つ
- 新しくリフォーム業社を探す手間が省ける
- 遺品整理の後、すぐにリフォームを行うことができる
さらに、地方自治体によっては、リフォーム前に申請を行うことでリフォームに対して補助金をいただけるケースもあります。
遺品整理後のリフォームも品質を保つ
遺品整理とリフォームを専任することによって、依頼した業者があなたの課題と向き合う時間はとても長くなります。
遺品整理とリフォームを合わせて依頼された業者は、リフォーム施工が提携業社であっても、自社で行う場合でも、別々の業者に依頼した場合の比ではありません。
そのため、単に「片付け」の業者「リフォーム」の業者と区別して単発的なやりとりをするのではなく、あなたの課題の根本に対してヒアリングを行い、品質を保った作業が可能となります。
この意味で、あなたの期待通りの課題解決となる可能性が高まりますし、責任の所在が明確になります。
新しくリフォーム業社を探す手間が省ける
遺品整理とリフォームを別々の業者に依頼する場合には、それぞれの業者で価格比較や選定が必要となることでしょう。
たとえば、価格比較サイトや相見積もりを利用するケースを考えてみましょう。
遺品整理とリフォームそれぞれ3社ずつ相見積もりを依頼する場合には現地調査が2×3社で合計6回になります。
その上で、比較検討して業者を選定する時間が必要です。
遺品整理の後、すぐにリフォームできる
遺品整理とリフォームを別々の業者に依頼することで、遺品整理の作業とリフォーム施工の予定調整に難航するケースがあります。
自分自身の可処分時間を有効に活用するため、1社に専任することで、リフォームや遺品整理を期待した時間内に終えることができるでしょう。
遺品整理とリフォームを1社へ専任するデメリットと注意点
遺品整理とリフォーム業社に専任を行う上でのデメリットは、遺品整理の実際の作業を目の当たりにし、その業者による部屋の整理が自分の期待に応えるものではなかった場合に「断れるかどうか」という点がポイントです。
事前に契約書や損害賠償保険加入などを確認した上で、作業の内容に満足できなかった場合や、リフォームを別業者へ依頼したくなったケースに備えておかれることをオススメしています。
加えて、リフォームの場合に想定外の料金となってしまうことを避ける必要もあります。
事前に遺品整理作業前から、リフォームを前提としていることを伝え、あなたの意見がきちんと作業に反映されるようにヒアリングを行ってくれる業者に依頼すべきです。
もっとも避けるべきなのは価格の安さだけで決めることです。
遺品整理とリフォームを1社に専任するため、安くなることは多いに結構ですし、金額の交渉にも柔軟に対応していただけるはずです。
しかし、ことリフォームの値段の安さは、何らかの理由が存在します。
安い建材や不正確な施工などのリスクや、見積もりの範囲が非常に限定的で「後から●●が見つかった」と高額請求をされるリスクがあります。
実際に依頼する場合には、工事の内訳などもきちんと会話の中に盛り込んで相談しましょう。
遺品整理でリフォームを依頼されることが多い箇所
遺品整理でリフォームを依頼されることが多い場所は、以下のようになります。
- 壁紙・クロスの張り替え
- 天井や照明
- 畳・フローリング張り替え
- 屋根
塩焼き瓦や釉薬瓦をコロニアルやカラーベスト・ガルバリウム鋼板へふき替えるなど - 壁の撤去と引き戸の設置
8+8畳で16畳リビングとするなど - キッチン・風呂・トイレなどの水回り
デザイン性の高いシステムキッチンなど - 階段・手すり・雨戸・納戸など
- 庭・フェンス・外構・物置
- 外壁・外壁塗装
- 駐車場・カーポート
あくまでもこれまでの事例であり、住宅の内外問わずリフォームをご依頼いただくことが可能でしょう。
遺品整理でのリフォームについての価格
遺品整理後のリフォームの価格は、一般のリフォームと同様に内容によって数万円〜数百万円と大きく異なります。
2020 年 3 月に発表された国土交通省「令和元年度
住宅市場動向調査」の調査概要p.26によれば、調査全体のリフォーム資金は平均で178万円(内訳:自己資金137万円・借入金41万円)とされています。
以下表は、あくまでも一般的な目安として、非常に大まかな価格をお知らせいたします。
箇所 | 金額 |
---|---|
クロスの張り替え(6畳の場合) | 4〜10万円 |
フローリングの張り替え(6畳の場合) | 10〜20万円 |
畳の交換(6畳の場合) | 6万円 |
トイレ | 15〜50万円 |
キッチン | 50〜100万円 |
お風呂 | 60〜150万円 |
洗面台(化粧台) | 10〜20万円 |
これらはあくまでも目安であり、実際には専門の業者に相談を行いましょう。
ノウハウが極めて重要な孤独死などの遺品整理・特殊清掃後のリフォーム
孤独死を迎えられたり、特殊清掃が必要な状況ではリフォームが不可欠となるケースが多くなります。
特殊清掃が必要な場合に私たちへご依頼いただくお客様は、大家さんや不動産管理会社といった貸主の方が主ですが、そのほかにご遺族や保証人・相続人からのお問い合わせの場合もあります。
特殊清掃といった特別な遺品整理が必要となるケースでは、特殊清掃そのものが目的となることはほとんどありません。
建物のニオイの除去が主な目的となってきます。
消臭を目的とした場合、いくら特殊清掃やオゾンの脱臭を行なったとしても100%ニオイが除去できるとは限りません。原因の元を絶つことが必要不可欠になります。
具体的には、マンション等で床下のコンクリートまで染み込んでしまった液体を発見した場合、コンクリートまで浸透しているその液体を特殊な溶剤を利用して除去するなどといった施工を行います。基礎部分に浸透してしまったニオイが取れない場合、特殊な薬剤等を利用するなどの方法を用いています。
遺品整理と一緒に特殊清掃をサービスとして提供している業者も増えていますが、特殊清掃はあくまでも特殊な清掃サービスのことを指すものであり、最終的に原因を根絶させるためには特殊清掃後の確実なリフォームを施す必要があります。
この特殊清掃後のリフォーム作業について知見をもつ業者は限られているのが現実です。
知見を持ったリフォーム業社による施工がない場合には期待する結果とならないケースもございます。
孤独死などの遺品整理・特殊清掃後のリフォームを行う場合には、特殊清掃のサービス提供だけではなく、その後のリフォームや原状復帰作業まで含めて確実な実行力のある業者を選定する必要があります。
このように、完全なニオイの除去等、原状復帰を行うためにリフォームが必要となるケースもあるので注意が必要です。
まとめ
ここまでご紹介したように、遺品整理とリフォームはあなたの目的を達成するための手段として捉え、限られた時間に手間をかけることなく信頼できる業者に依頼するのがポイントです。
遺品整理作業を行う業者がリフォームまでワンストップで対応することによって、あなたの目的を叶える可能性が高まります。
今後リフォームしてご実家やご自宅を再度活用されるケースをお考えの方は、ぜひともこれらの内容を参考にしていただきたいと思います。
最後までお読みくださいましてありがとうございました。