銀行口座の名義人が亡くなられた時に必要なのが、銀行口座の相続手続きです。預金者がお亡くなりになると金融機関の口座は凍結されるのが一般的です。
亡くなった方が銀行の預金口座を持っていた場合、該当する銀行の支店にて相続の手続きを行う必要がありますが、集める書類が多いことや作成に法的な知識も必要になるケースがあります。
加えて、亡くなった方がご家族も存在の知らない口座や貸金庫を持っていた可能性も考慮すべきでしょう。亡くなった方が口座を持っていたか不明な場合でも、支店の窓口で口座の有無の調査をお願いできます。
「相続手続きセンター」等を銘打ったサービスもありますが「分からないから」と任せきりにせず、ご自身で確認しながら進めることをオススメいたします。
また、神奈川県内にある金融機関への相続手続きの情報や店舗を検索することのできる一覧表を下記にまとめていますので、ご利用ください。
今回ご紹介する内容は、各銀行の手続きについて、全体像を把握していただくため、インターネット上にあるページをご紹介するものです。
そのため、個別の案件に対しては、専門家や銀行の判断が分かれる場合もあります。
実際に手続きに望まれる際には、よく内容等をご確認の上、専門家に相談するなどして、手続きを進めていただくよう、お願いいたします。
銀行への相続手続きの流れ
銀行への相続手続きは、以下のような流れで行います。
家庭裁判所への調停が申し立てられているような場合や、遺言書・遺産分割協議書の有無によって用意する書類が異なるため、あくまでも一般的な流れです。
- 銀行に対して相続の連絡を行う
- 必要書類の準備
- 書類の提出
- 払い戻し等のお手続き
きちんと相続が行われ、その決定にしたがって遺産を分配できるように、相続の手続きが完了するまで、原則、お引き出しなどの取引ができなくなります。
銀行の相続手続きについて必要な書類
必要な書類は、各銀行によって異なります。
ここでは、一般的な必要書類についてまとめました。
必要な書類は、遺言書、遺言執行者や遺産分割協議書の有無によって異なります。
遺言書がない場合に必要な書類
- 亡くなられた方の戸籍謄本(除籍謄本)
または登記所(法務局)による法定相続情報一覧図
「出生からなくなるまで」や「16歳の誕生日以降、亡くなられた時」が確認できる書類。銀行によって異なる指示の場合があります。 - 相続人の戸籍謄本
相続人全員のもの - 遺産分割協議書
(作成している場合) - 相続人の印鑑証明書
発行から銀行の指定する期間(通常3〜6ヵ月)内のもの - 相続人(預金等の払戻を申請した方)の実印・取引印
- 亡くなられた方の預金通帳・キャッシュカード・証書等
貸金庫がある場合には鍵なども忘れずに用意しましょう。 - 各銀行の相続手続き依頼書
(様式は銀行によって異なる)
遺言書がある場合に必要な書類
- 遺言書
自筆証書遺言等、公正証書遺言以外の場合は、家庭裁判所の検認が済んでいることを確認できる資料 - 亡くなられた方の戸籍謄本(除籍謄本)
または登記所(法務局)による法定相続情報一覧図
「出生からなくなるまで」や「16歳の誕生日以降、亡くなられた時」が確認できる書類。銀行によって異なる指示の場合があります。 - 相続する人(受遺者)・遺言執行者の印鑑証明書
発行から銀行の指定する期間(通常3〜6ヵ月)内のもの - 遺言執行者選任審判書遺言
(執行者が裁判所に選任されている場合) - 相続する人(受遺者)・遺言執行者(預金等の払戻を申請した方)の実印・取引印
- 亡くなられた方の預金通帳・キャッシュカード・証書等
貸金庫がある場合には鍵なども忘れずに用意しましょう。 - 各銀行の相続手続き依頼書
(様式は銀行によって異なる・一般的に受遺者の署名・捺印(実印)が必要)
相続の内容や遺言の内容によって、上記以外にも書類が必要なケースもありますので、詳しくは銀行の担当窓口まで確認されることをオススメします。
なお、2017年5月29日(月)から、全国の登記所(法務局)で、各種相続手続に利用できる「法定相続情報証明制度」が始まりました。
提出処理を大幅に減らせる可能性があるため、活用を検討しても良いかもしれません。
改正民法による払い戻し制度
相続の手続きが完了するまで、口座名義人(被相続人)が契約していた預金等は、お引き出しなど原則すべて停止になります。
しかし、2019年7月に相続預貯金を遺産分割前でも引き出すことのできる払い戻し制度を利用できるようになりました。
乱暴に解説すれば「法定相続分の3分の1」の金額で、その銀行が判断する金額(通常、1銀行あたり合計150万円以下)を超えない範囲で、払い戻すことができるようになりました。
これにより、各相続人が当面の生活費や葬儀費用の支払いなどのためにお金が必要になった場合に、払い戻しを受けることができるのです。
ただし、家庭裁判所に調停が申し立てられている場合は、まず家庭裁判所の判断で仮取得金額が決定されます。
また、遺言書がある場合等には利用できないこともあります。
家庭裁判所の判断を経ない場合には、銀行(金融機関)の判断で払い戻しを受けられます。
その際には、概ね以下の書類が必要ですが、金融機関によっては、他にも書類が必要な場合があります。
- 亡くなられた方(被相続人)の除籍謄本・戸籍謄本または全部事項証明書
- 相続人全員の戸籍謄本または全部事項証明書
- 預金の払い戻しを希望される方の印鑑証明書
この制度を利用して払い戻された預金は、遺産分割の際に調整されます。
参考:「遺産分割前の相続預金の払戻し制度のご案内チラシ」全国銀行協会
銀行の口座凍結や払い戻しについては、以下のページでご覧いただけます。
書類提出後の預金や金庫等の取り扱いの内容
相続の手続き後の預金や金庫等の取引の種類によって、一般的には、以下のような結果となります。
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普通口座の預金
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解約・口座振替の停止(銀行によっては、名義変更の上で、継続した講座の利用ができる)
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当座預金
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解約(手形・小切手がある場合には、返却する・生前にすでに振り出されている場合には、銀行に要相談)
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総合口座
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銀行によって処理は異なりますが、当座貸越による借り入れがある場合には、定期預金などとの差し引きが行われる。
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外貨預金
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解約。名義変更不可のケースが多いようです。
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貸金庫
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相続人全員の立会いで、貸金庫を開けたのちに解約。中に入っていたものを引き取る。
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国債・地方債や投資信託など
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名義変更手続きとなることが一般的。
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銀行を代理店とした保険
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契約先の保険会社による手続きが必要。
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ローンや銀行借入
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銀行に相談して所定の手続きを行う。
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インターネットバンク
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解約。
各金融機関の相続手続きについて
以下の表は、神奈川県内に支店のある各金融機関で、相続手続きの情報が掲載されているページや、お近くの支店をお調べいただくための情報をまとめたものです。
手続きについてお調べになる場合にご利用ください。
以下で紹介するもの以外の金融機関や、神奈川県医師信用組合、神奈川県歯科医師信用組合、相愛信用組合、ハナ信用組合などの信用組合や、農協などでも口座をお持ちの場合はあるかと思いますので、ご注意ください。
また、手続きの情報を銀行上のウェブサイトで発見できなかったものについては「明確な記述が見つかりませんでした。」と記載しています。
手続きを行う場合や、確認・相談を行うとき、お近くの店舗を探される場合には「Google Mapsで探す」ボタンを押していただくと、近くの支店を探すことができます。
- 銀行名
- 記載ページ
- 近くの店舗
-
横浜銀行
- 相続手続きについて
<はまぎん>相続手続きデスク
045-225-2072
銀行窓口営業日の午前9時~午後4時 - GoogleMapで探す
-
みずほ銀行
- 相続の手続きをしたい
- GoogleMapで探す
-
三菱UFJ銀行
- 相続のお手続きのご案内
相続オフィス
0120-39-1034
月~金曜日 9:00~16:00 (土・日・祝日・12/31~1/3を除く) - GoogleMapで探す
-
三井住友銀行
- 相続の手続方法(お亡くなりになったご連絡、必要書類のご準備)
お亡くなりになったご連絡専用フリーダイヤル
0120-141-611
月~金 9:00 ~ 16:00 (土日・祝日および12月31日、1月1日~3日を除く) - GoogleMapで探す
-
埼玉りそな銀行
- 相続手続に関するご質問|よくあるご質問
- GoogleMapで探す
-
きらぼし銀行(旧 東京都民銀行、八千代銀行、新銀行東京)
- 明確な記述が見つかりませんでした。
- GoogleMapで探す
-
北陸銀行
- 相続手続きのご案内PDF
- GoogleMapで探す
-
東日本銀行
- 相続手続きのご案内PDF
- GoogleMapで探す
-
東京スター銀行
- 明確な記述が見つかりませんでした。
- GoogleMapで探す
-
神奈川銀行
- 明確な記述が見つかりませんでした。
- GoogleMapで探す
-
静岡中央銀行
- 明確な記述が見つかりませんでした。
- GoogleMapで探す
-
群馬山梨中央銀行
- 相続についての冊子PDF
- GoogleMapで探す
-
ゆうちょ銀行
- 相続手続きの流れ
- GoogleMapで探す
-
三菱UFJ信託銀行
- 株式等の相続手続のご案内PDF
- GoogleMapで探す
-
みずほ信託銀行
- 明確な記述が見つかりませんでした。
- GoogleMapで探す
-
三井住友信託銀行
- 相続に関するご質問
- GoogleMapで探す
-
横浜信用金庫
- 相続手続きに関するご案内
- GoogleMapで探す
-
かながわ信用金庫
- 相続手続きに関するご案内
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-
湘南信用金庫
- 相続相談事例 |
チーム湘南 - GoogleMapで探す
-
川崎信用金庫
- 相続のお手続き|相続のお手続き|そなえる
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平塚信用金庫
- 明確な記述が見つかりませんでした。
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-
さがみ信用金庫
- 相続のお手続|さがみ信用金庫|相続のお手続ガイド
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-
中栄信用金庫
- 明確な記述が見つかりませんでした。
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-
中南信用金庫
- 明確な記述が見つかりませんでした。
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-
城南信用金庫
- 相続のお手続きについて
- GoogleMapで探す
-
山梨信用金庫
- 各種お手続き|山梨信用金庫
ページの下の方に記載があります。 - GoogleMapで探す
-
中央労働金庫
- 相続のお手続きについて
- GoogleMapで探す
-
神奈川県JAバンク
- 明確な記述が見つかりませんでした。
- GoogleMapで探す
以上です。重ねてのご案内ですが、網羅していないことに注意してください。
まとめ
相続の手続きは複雑で手順も多く大変です。
しかし、こうした手続きを放置すると、借金を相続することになって、家が競売にかけられたり、無申告課税により高額な税金を支払わなくてはならない可能性があります。
多くの手続きは専門家に代行をお願いすることができ、横浜ベスト遺品整理社では、提携する弁護士や行政書士、司法書士の方と連携して、お部屋の片付けとともに代行することが可能です。
お悩みの方は、ご相談は無料ですので、一度お声掛けください。
あなたの新しい生活をより良いものにできるよう、サポートいたします。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。