最近、終活や生前整理といった行為は一般的な言葉になってきたように感じます。
実際に「終活をしたいのだけど」といった文脈でお問い合わせをいただくことも増えています。
振り返って調べてみたところ、遺品整理ではなく生前から終活を行おうとされている方の私たちへのご依頼は直近3年間で2.3倍程度になっています。
このような方々は、随分と長い間お悩みになった末に、行動を起こされているように見受けられ、お話を伺うと「家族へバトンをわたす前に、しっかりと準備をしておきたい」とお考えになられている方が少なくありません。
こうした方々の準備はとても明瞭で計画的です。
以前、当社の記事で終活に関するやることリストをまとめましたが、こうしたことはすでに考慮の中に入っています。
その上で、実際にどうしたら良いのか考え、最善の行動を考えて当社にご依頼いただくといった方がとても増えていて、私たちも見習わなくてはならないとさえ感じます。
後悔のない生前整理を実現された方に伺った内容から「もっとこうしたほうが良いかもしれない」ポイントを3つまとめてご紹介いたします。
生前整理で物品や荷物を手放す時には慎重に。
生前整理を終えてみると「手放しすぎた」と感じる方もいらっしゃるようです。
手元に残しておけば良かったと思う物品もあるようなので、性急な片付け作業ではなくじっくりと取り組むことも重要な視点かもしれません。
物だけに限らず、デジタルデータの終活においても、写真整理の際に大切な写真と動画を消してしまって後悔したという方が少なくありません。
荷物を整理した時に後悔しないようにするには、残る物量が多少増えたとしても要、不要、保留という3段階で物事を考え、残しておくという選択肢も必要なのかもしれません。
手放しすぎるのも良くないケースがあるようです。
後悔なくご自身にとって納得の整理とするためには、賃貸物件に住んでいるわけではないなど状況が許せば時間をかけてじっくりと行うこともまた大切な視点かもしれません。
不動産はなるべく初期の段階から結論を出すことができれば。
売却や方針の決断が難しい不動産は、終活を意識した初期の段階で結論を出しておいた方が良いかもしれません。
現金化できるのであれば、不動産を売れるうちに売っておきたいと考えておられる方も少なくないようです。
理由は「売れるかどうかわからないから」という不安から、実際に調べてみたところ、地域や時期によって厳しい場合が多いことを知ったから、とのことでした。
以前は住みたいところに住む、という観点から、確かに売却することを考えて自宅を立てる方は非常に少なかったという印象があります。
結論として、ご子息やご友人の協力も得ながら、不動産仲介業者を変えて地元の不動産屋さんに仲介をお願いして、物件そのものの買い取りを不動産業者にお願いするなどして解決された方もいらっしゃいました。
事前に課題や相場を把握しておくことはとても重要だと言えるでしょう。
家族やパートナーとご自身の意思を共有する
生前整理を行う上で、パートナーの物品を処分されてしまってトラブルになったり夫婦・家族・パートナーの物品を勝手に処分して後悔された方もいらっしゃいました。
大きな家族トラブルにはならなかったものの、少しギクシャクした時期ができてしまったとか。家族やパートナーの物品を手放す場合には、一緒に作業に臨んだり、確認をしっかり取ったりするのは大前提です。
またその時は必要性や貴重性がわからなくても後になってやっぱり手元に置いておけばと思うこともあるかもしれません。
やはりじっくりと取り組むことで避けられることは多いようです。
まとめ
今回は、皆さんが実際に生前整理に取り組んでみた感想を簡単にまとめました。
当たり前のことが並んでいるように感じられた方もいらっしゃるかもしれませんが、お片付けを急ぐあまり見落としがちなポイントだと言えるのかもしれません。
終活や生前整理に取り組まれた方のお話で印象的なのは「家族のためでもあるが、自分が一番後悔するから生前整理に取り組むのだ」とおっしゃる方が多いことです。
誰かのためではなく自分のために生前整理を行おうとされる考えを「意識が高い」として一蹴する向きもあるようです。
しかしながら、ご本人たちは決して無理をすることなく、自分のペースで自分の生き方や自分の考えをしっかりと現実に反映されており、その姿勢が私の目にはとてもかっこよく映ります。
大切なのは、考えられる時間があるのであれば、早急に結論を出さないことでしょう。
急ぐことなく、ちょっと時間をとって考えてみるだけでも結果は大きく変わるかもしれません。
私たちも日々、生前整理に取り組もうとされておられる方へのサポートを行なっております。
1日で片付けることなく、少しずつゆっくりとお片付けされたい方など状況に合わせて作業方針をご提案しております。
お手伝いをさせていただければこんなに嬉しいことはありません。
最後までお読みくださいましてありがとうございました。