終活は、最近になってメディアで取り上げられることがとても多くなってきました。
2010年ごろは「売れる」とか「こんな資産」が残されているといったものばかりでしたが、ここ数年、とくに2020年以降は終活そのものの必要性にフォーカスしたものも多くなってきました。
しかし、実際の方法論となるとご存知ない方も少なくないのが現実です。
では、実際に終活を行なった人はどのようなことを行なっているのでしょうか。
そこで、終活で成功している人の話を伺ってみたところ、非常に似ている点がいくつも存在していました。
これを知ることで、何か参考になるかもしれません。
終活を行う人がやっていること
終活という言葉を知っていても、その半分以上は「終活を行なっていない」と答えているというデータがあります。参考:「終活」で始めたいのは「身の回りのものの整理」:シニアガイド(株式会社インプレス)
実際に終活を行なった人がやっている主な内容は、次の通りです。
- 財産や相続について
- 身辺の整理
- 自分の医療方針
- 自分の葬儀、墓のことについて
比較的簡単な内容が並んでいるように見受けられませんか?
では、何が障害となり、終活をやめてしまうのか。それは、家族との関係性です。
終活や生前整理でやっぱり大切な「お金」の把握
当たり前のことですが、大切なのは「お金」の管理です。
テレビでドラマチックに描かれるような骨肉の争いを防ぐ、という目的もあるのですが、もう一つ明確な理由があります。
それはお金は数字で見ることができるから。
定量化して内容を数字で把握することは、見通しを立てる上でとても重要なことです。
したがって、どれくらいの資産が残されていて、これからお金がいくら必要になるのかを把握している必要があるのです。
ここで「余計な心配をかけたくない」とか「財産を把握されるのがいやだ」「隠し事がある」といったような形で終活が進まなくなるケースが多いのです。
しかし、相続の段階になって、いずれは家族が解決しなくてはならない問題であることに変わりはありません。こうした問題を事前に家族が把握しておくことは何より重要なポイントです。
終活への障害を取り払って、家族全員が円満に終活を話題にできる方法
それでは、お金の把握などに関連する終活の障害を乗り越える方法など存在するのでしょうか?
実は、方法はあります。先にご紹介した「終活成功者」のみなさんが、最初にほぼ例外なく取り組んでいること。それはクレジットカードの解約です。
クレジットカードは、ご本人に帰属する財産なので、家族が引き続き使用することはできません。
そのため、家族が亡くなった後は、速やかに解約の手続きを行わなくてはいけないのです。
また、このクレジットカードの解約は、契約者本人以外が解約する場合には、解約申請書類により、契約者本人との関係を証明する書類の準備が必要など、やや煩雑な郵送のやりとりが必要です。
ご本人が解約申請を行うほうがずっと簡単なのです。
さらに、クレジットカードを解約すると家族会員カードやETCカードも同時に解約されます(カード会社によって異なる場合があります)
クレジットカードでの未決済のお金は、相続される
クレジットカードの会員費や未決済として残っているクレジット料金、さらにはリボ払いやキャッシングについては、相続の対象です。そのため、これらの債務が残っているのかどうかを把握することはとても重要です(契約者本人の死亡から3ヶ月以内に相続放棄しなければ、その債務を相続することになります)
成功者は、解約を入り口にして、次のステップへの話し合いのきっかけを作る
終活で成功した方や、そのご家族は、このような「定量化」できる金額や債務などをクレジットカードの解約から話を進めたと言います。
それは「終活」という言葉が嫌いでも、「もう使わなくなったクレジットカードの解約」だったら、ご本人の心理的ハードルが下がるからではないでしょうか。
今年、両親の遺言を作成し、終活について1年がかりで大体のことを終えたと話してくれた横浜市内の40代の女性のお客様は、「今後使わないであろうクレジットカードの解約を行うことにより、ご本人が積極的に自分の資産や、医療の方針などについて話し合いを持つことができた」と教えてくれました。
当社のブログでは、何度もご紹介していますが「まずやってみること」がどれだけ大切なのかをご存知ない方は多いかと思います。
「できない」という理由はいくらでもあげてみることは簡単です。しかし、実際に一歩踏み出してみることで、ご両親との時間を持つきっかけとなり、さらにはご両親の望んだ形での終活をあなた自身が協力することができたなら、あなたや家族の負担は大きく減らすことができるのです。